町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

令和世代の新しい主役・小田急5000形(2代目)

2020年05月06日 | 小田急電鉄

2020326日に2代目の5000形が営業運転を開始してから早くも1ヶ月以上が経過しました。本来なら運転開始に伴う各種イベントが予定されていたところに、中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスの影響で全て中止になり初日は朝のみの運用で終わるなど出鼻を挫かれた感がありましたが、久々の広幅車体の復活ということもあってか、概ね好意的に受け入れられているようです。

快速急行で和泉多摩川駅付近を走行中の5051F10連。同形式は10両固定編成のみの導入で、本年は6編成の導入が予定されています。帯の色は4000形で導入されたインペリアルブルーに加え、アズールブルーの細帯が加わり新しいカラーパターンになりました。

平滑なステンレス車体と流線型でスピード感がある正面スタイルが印象的ですが、何処となく東南アジアのMRT車のような雰囲気も漂わせています。奇しくも1969年から2012年まで活躍した初代5000形では8000形まで続くアイボリーホワイト+ロイヤルブルーの塗装を初採用し、一般車初の冷房車が導入されるなど新鮮な衝撃を与え小田急通勤電車のスタイルを確立しましたが、2代目の5000形も遠い将来「小田急と言えばこの電車」といった車両に成り得るでしょうか。

白を主体にした化粧板とオレンジの座席、フローリング調の床で明るい印象を作り出す車内設備。天井周りの構造や強化ガラス製妻面貫通扉などは東京メトロの新型車と通じるものがあります。側扉は4000形ではE233系と共通の角張った窓でしたが、5000形では四隅にRが付いた独自の物に戻り、手掛けの位置も窓より下に設置するなど従来形式に倣っている部分が見受けられます。なおイメージイラストでは左右両側に設置しているように描かれていましたが、実車では片側のみの設置になりました。また、ドアステッカーも落成直後は窓の真ん中に貼られている写真が確認できましたが、営業運転開始時には広告を貼る為か、若干下の位置に貼り直しているようです。

車内案内表示器は首都圏でお馴染み、三菱電機セサミクロによる17インチワイド液晶画面で、監視カメラも設置しています。ドアチャイムもJR東日本タイプですが、開閉時に3回鳴動するのが標準のところ、本形式では2回しか鳴らないのも特徴です。

今後は2編成目が引き続き川崎重工業で、34編成が総合車輌製作所で製造される予定ですが、これに伴って界磁チョッパ制御で残存する80008251F8255F1000形ワイドドア車が順次廃車にされることになっています。5000形の増加と引き換えに、これらの形式が見納めになるのは寂しいものがありますが、コロナウイルスが収束したら、在来各形式の乗車・撮影も楽しんでおきたいですね。

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首都圏の新しい顔・JR東日本E235系

2020年05月04日 | JR線

E233系の後継として開発され、続々と山手線に導入され、遂に車種統一を果たしたE235系ですが、2020年下旬には早くも横須賀線・総武線快速への導入が決定し、今後も順次他路線への拡大も計画されていることから、早くも東京エリアの新しい顔になっています。イラストで概要が発表された時は独特な正面デザインが物議を醸しましたが、登場から4年余りが経過して、すっかり違和感も薄れ定着しつつあるようですね。

今年314日に開業し、その駅名が物議を醸した高輪ゲートウェイ駅先端で外回り運用中のトウ17編成を捉えました。山手線に於ける名撮影地が爆誕し話題になりましたが、同駅周辺では品川ゲートウェイ地区の開発が進められており高層ビルが建設される為、綺麗な順光で撮影出来るのは期間限定かも知れないですね?

JRのポスターなどでも使われたことがある定番撮影地・御徒町駅にて。こちらは編成全部は入りませんが、迫力あるカーブ構図が魅力です。丸みを持たせたふくよかな造形のE233系から一転して平面的になった正面は、ラインカラーを帯ではなくグラデーション模様で表現する今までに無いスタイルです。一部からスマホのようだと揶揄されたこのデザインは、「人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓」をイメージしているのだそうで。正面ガラスは分割式になり、破損した時の交換の手間を軽減しています。

E233系をベースに更に改良された車内設備。ラインカラーと同じウグイス色の抗菌吊り手や半透明化半透明化された袖仕切り、広告用のデジタルサイネージが目立ちます。手すり類は枕木方向に連続的な曲線で接続するロールバー構造とし側面衝突時の強度を向上させています。当初の計画では紙媒体の広告を廃する予定でしたが、広告主からの強い要望で結局残されることになりました。

ドア上には当然のごとく17インチワイド液晶画面を設置。三菱電機セサミクロを導入するものと思っていましたが、E235系では側面窓上部と妻面貫通扉上にも動画広告用画面を設置するため、日立製作所が駅に設置されているデジタルサイネージをベースに新規開発した製品を搭載することになりました。戸閉装置も左右の扉が押し付け合う方式のラック式がこれまた新規に設計されており、これまでの電気式ドアとは動作音が異なります。

今後は横須賀線・総武線快速の他、宇都宮線、高崎線に導入しE231系の初期車置き換えも視野に入れているようですが、捻出される同系は4両・6両に組み替えられ残存する211系・205系置き換えに充当されることが予想され、また首都圏とその周辺線区で大きな動きが見られるでしょう。

※本記事は2019年10月23日分を修正し、写真を差し替えました。

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