これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

オトナの調理実習

2021年06月27日 21時25分07秒 | エッセイ
 学校勤めだと、教科書に触れる機会が多い。
 読んで楽しいのは地理。音楽や美術にも見入ってしまう。日本史、世界史もなかなかだ。
「家庭もおもしろいよね」



 私が高校生のときは、女子だけが家庭を学んでいた。10年後あたりから男女共通履修となり、被服や保育、調理など、男子も生きていく上で必要な知識を身につけられて、よかったと思う。
 エプロン作りには夢中になったものだ。しかし、何といっても、一番の目玉は調理実習だろう。予想通り、青椒肉絲(チンジャオロースー)やおせち料理が載っていた。友達とキャッキャとはしゃぎながら作ったことを思い出し、頬が緩む。
「あれ、こんなものまで……」
 私のときにはなかった「簡単ピザ」の作り方で手が止まった。



「いやあ、ホントにこれは簡単だわ。やってみたいな」
 高校生の調理実習用であれば、失敗もないに違いない。そそくさと教科書をバッグに入れ、チャレンジすることにした。
「えーと、強力粉、ドライイースト、砂糖、塩をポリ袋に入れて、よく振って混ぜる」



 ふりふり、ふりふり。
「40度のお湯とサラダ油を加えて、袋ごとよくこねる」



 こねこね、こねこね。
 手が汚れない上、後片づけが楽でいい。ただし、粉っぽさが残らないよう、袋越しによーくチェックしないといけない。
「生地がまとまってきたら、袋の口をゆるく結び、暖かいところに20~30分置く」
 冬ならストーブの前や、ぬるま湯を入れたボールの上、夏なら陽のあたる場所がよいらしい。保温中の炊飯器の近くという手もありそうだ。
「生地が2倍ぐらいまで膨らんだら、袋を切り裂いて生地を取り出し、生地を押さえて形を整える」
 本当に20分で大きくなったのは驚きだ。一般的なレシピを見ると、もっと手間暇かかって面倒なのだから。さっそくガス抜きをして、丸く伸ばし、ピザソース、オニオン、ベーコン、マッシュルーム、チーズの順でトッピングをする。
「あ、赤ピーマンを忘れてた」
 チーズの上にこっそりピーマンを載せればできあがりだ。



 あとは、200度のオーブンで15分焼くだけ。粉を混ぜてから1時間で完成とは素晴らしい! 完成品の写真は撮り忘れたが、実に美味しくいただいた。
「すごいなぁ、さすがは調理実習。これなら生徒も喜ぶね」
 家庭科の先生の話では、2時間以内に仕上げるのが難しいのはゼリー系なのだそうな。沸騰した湯でゼラチンを溶かすと、制限時間内には固まらない。工夫を重ね、80度のお湯を使う方法を考えたと聞いた。まず最初に、ゼリーから作り始めれば、2時間目の途中で冷たいデザート付きの食事ができるというから大したものだ。
「おっ、パンナコッタもある。次はこれにしようっと」
 高校生のみなさん、教科書は大人になっても使えます。
 捨てずに取っておいてね。


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フジコ・ヘミング ソロコンサート

2021年06月20日 21時57分28秒 | エッセイ
 以前、ブロ友さんから評判を聞き、映画「フジコ・ヘミングの時間」を見たことがある。フジコさんの奏でる柔らかなピアノの音に魅了され、「いつか聴きに行きたい」と思っていたが、ついにその日がやってきた。



 6月18日(金)18:30~ 大宮ソニックシティ大ホール
 たまたまチケットが取れたので、コロナで中止や延期にならないことを祈りつつ待っていた。当日は土曜出勤の振休を当て、万全の態勢で臨んだ甲斐があった。
 大宮には詳しい。高校時代に使っていた駅だし、今でも埼玉在住の友人と遊ぶときはここに集まることが多い。
「えーと、大宮そごうに寄るから、上から行けばいいか」
 大宮駅西口は、ペデストリアンデッキと呼ばれる高架建築物で、多くの施設がつながれている。そごうを出て、このデッキを西方向に行けばソニックシティに到着するはずなのに、なぜか目当ての場所が封鎖されていた。
「は? どういうこと?」
 封鎖された先には、マスコミ関係者と思われる人たちがカメラを構えていた。警察官もうじゃうじゃいるし、野次馬と思われる一般人も人垣を作っている。彼らの視線を追うと、インターネットカフェの看板が見えた。
「ああ、もしや……」
 女性従業員を人質に取り、男が個室に立てこもった事件は、前日から報道されていたが、ラジオで聞いただけで映像は見ていない。まさかここだったとは。
「ソニックシティは、この階段から下りて、信号を渡ってください」
 素直に、警備員の誘導に従い、デッキから地上に下がる。こちらにも、たくさんの野次馬がスマホを出し撮影していた。
 さて、まずは腹ごしらえだ。まだ17時なので、この時間だったら、パレスホテル大宮のパルテールが便利だろう。ステーキ御膳をいただいた。



 会場は17時30分からだから、18時より前には入りたい。
 プログラムを受け取り、演奏される曲を確認する。



 といっても、クラシック音痴の私にわかる曲は限られているけどね。
 フジコさんは映画のときより足が悪くなったのか、杖をつきながら、スタッフに支えられて登場した。1階8列目の席がとれたので、フジコさんの微笑む表情がよく見えた。少女のようで可愛らしい方だと感じた。
 楽器では、ピアノが一番好きだ。低音は力強く、高音は軽やかに響き、体中の余分な力が抜けていく。リラックスできてとてもよい。近くに座っていた男性は寝ていたが、心地よくなった結果であろう。せっかくの生演奏を聴かずにもったいないと思う反面、しょうがないかという気もする。
 前半はトルコ行進曲で盛り上がって終わった。この曲だったら私にもわかるから、非常にありがたい。
 後半で、「これ、いいじゃない」と感じたのが、ハンガリー狂詩曲 第2番であった。よく知らなかったけれど、テンポとメロディが私の好みだ。もちろん、ラストのラ・カンパネラは圧巻だった。
 アンコールでフジコさんが弾いてくれたのは、ベートーヴェンのテンペストソナタであった。プログラムに書かれていない曲が聴けて、さらに得をした気分になった。
 コンサートが終わり、大宮駅に戻る。野次馬も警官もまだいた。事件はこの数時間後に解決したので、あとちょっとという場面だったようだ。
 電車に揺られながらコンサートを振り返る。
 ピアノのよさをあらためて感じたひとときであった。
 今度は、ジョージ・ウィンストンのピアノを聴きに行きたいなぁ。


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美味しいオンラインショップ

2021年06月13日 20時56分35秒 | エッセイ
 休みのたびに食事を作ってきたが、一体どのくらい続いているのだろうか。
「えーと、2020年の2月からだから、もう1年4カ月か。長い!」
 たまには美味しいものを食べに行きたいが、感染リスクを恐れ、喘息持ちの夫と娘は家から出ない。
「デリバリーは3月に頼んじゃったし。他にいい店ないんだよね」
 完成した料理は配達エリアが限られてしまうが、オンラインショップなら全国から調達できると気がついた。温めるだけ、茹でるだけの料理を冷蔵ないし冷凍で送ってもらい、家でひと手間かければ、家庭では食べられないごちそうが楽しめる。
「なになに、リストランテ ヴェルサーレだって。ここいいかも」
 オンラインショップ・イタリアンで検索すると、いくつものサイトがヒットしたが、この店のホームページがやたらと気になった。私のグルメセンサーが作動しているらしい。
「ほおお、オマール海老か」
 お店の場所は滋賀県のようだ。コロナ禍でなければ、行かずに終わっていたかもしれないのに、縁とは不思議なものである。ササッと家族3人分のディナーを注文し、到着を待った。
「あ、手紙が入ってる」
 オーナーシェフ手書きの商品説明が入っていて、丁寧感がうれしい。



 今回、注文したのはミネストローネ。



 活オマール海老のソースアメリケーヌ。



 帆立貝とチンゲン菜のウニクリームパスタ。
 ホームページでは、もっと美しく盛り付けられているのだが、私の腕ではこの程度……。



 色々なきのことゴルゴンゾーラのクリームパスタ。



 渡りガニとアサリのトマトソースパスタ。



 どれも、マイルド、クリーミーで、口当たりのよさは群を抜いている。都心に店を構えても、かなりの人気店になるのではと予想した。
「うーん、美味しかった」
「また頼もうよ」
 家族からの評判も上々で、ひいきの店がひとつ増えたことにニンマリした。

 注意点を2つ紹介したい。
 〇注文してから商品到着まで一週間ほどかかった。
  繁忙期、閑散期があるのかもしれないが、翌日到着を期待してはいけない。
  美味しいものは気長に待つのです。
 〇パスタに比べて、パスタソースが多い。
  こってりしているため、消化器の弱い人は2/3ぐらいで十分かもしれない。
  (私は全部食べて下してしまった……)
  お腹の丈夫な人は、パスタの替え玉をご用意ください。なんちゃって~。

 オンラインショップはこちらからどうぞ。
 ごちそうさまでした!


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ヨーグルトに入れたいもの

2021年06月06日 21時39分34秒 | エッセイ
 夕食後にヨーグルトを食べる習慣ができたのは、結婚して間もなくのことだ。
 当時は、ネーブルなどの柑橘系や、イチゴを切って入れていた。今は、そんな時間もなく、フルーツソースに頼っている。



 もっぱら、この数年間は4種類をローテーションで使っている。
 一番気に入っているのはブルーベリー。
 最近は、果実も加えて、プチプチ感を楽しむのが好きだ。



 イチゴソースにもブルーベリーは合うが、さすがに桃ソースにはちょっと……。
 ヨーグルトのイチオシは木次(きすぎ)。



 ほどよい酸味とクリーミーな味わいがクセになる。
 駅前の自然食品の店でしか買えないので、普段はもっぱら生協のこんせんプレーンヨーグルトだ。
 全部食べつくして、空き容器の開きしかないのが残念だ。



 先日、ヨーグルトに関する耳より情報を仕入れた。
「なにっ、ゆであずきが合うとな?」
 フルーツソースではなく、ヨーグルトにゆであずきを入れると、なかなか美味だと発信していた人がいて、そうとう気になった。
 あずきは大好物だ。さっそく真似してみる。



 ちょっと多めに、たっぷりのゆであずきを載せて、まぜまぜ。
 いい感じに溶けて、ヨーグルトとの相性もよさそうに見える。
「おおっ、ウマッ!」
 乳製品と和の融合、とでもいえばよいのだろうか。マイルドな酸味の少ないヨーグルトが、よりマッチしそうな気がした。
「次は、きな粉とオリゴ糖を入れたらどうかしら」
 別にフルーツである必要はない。新たなアイデアが浮かんできた。
 コロナ禍でステイホームを続けるうちに、すっかり食いしん坊になった自分に気がつく。


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