これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

三大ホニャララの磁力

2024年06月02日 15時55分30秒 | エッセイ
 たくさんの中から優れているもの、人気のあるものを選ぶとき、なぜか「3」という数字がまとわりついてくる。
 オリンピックでメダルがもらえるのは3位まで。アスリートたちは、パリ大会で金色に輝くメダルを手にすることを目指し練習している。
 「世界三大美術館」という言葉がある。諸説ある中で、アメリカ・メトロポリタン美術館、フランス・ルーブル美術館、ロシア・エルミタージュ美術館を指すことが一般的と聞く。過去に、ルーブルとエルミタージュには行ったことがあるが、メトロポリタンはない。ご縁があればコンプリートなのだけれど、この円安ではとてもとても。宝くじが当たったら考えよう。
 「日本三景」とは、松島、宮島、天橋立を指す言葉だ。江戸時代に選ばれた3つの景勝地というから、令和の時代となって「他にもいいとこあるじゃん」と、納得いかない方がいるかもしれない。緑と青に彩られた松島、荘厳な大鳥居が鎮座する宮島は、間違いなく選ばれただけのことはある、幻想的な場所であった。だが、天橋立には行ったことがない。写真で見る限り、春夏秋冬のどのシーズンでも自然からの贈り物であるかのような、神がかった美しさが伝わってくる景色であった。東京からは交通の便が悪いため、気軽に行かれる場所ではないのだが、「あとひとつで制覇」という気持ちもあり揺れる。面倒臭さが勝つのか、すべて見たい夢が勝つのか、自分でもわからない。
「3」という数には磁力がある。「10」だったら、全部は無理と諦めがつくけれど、「3」だと、ちょっと頑張れば手が届いてしまう。間違いなく、達成感を味わいたいという気持ちを煽る効果があるようだ。
 昨日、娘が友達と浅草に出かけた。土産に買ってきてくれたのが、亀十のどら焼きであった。



 通常のどら焼きより2回りほど大きくて、ソフトボールを平べったくしたサイズに見える。でも、カステラの部分は薄く、ふわふわしていて、焦げ目のマイルドで香ばしい甘みがクセになりそうだ。



「美味しい? 混んでいたけど、友達が買うって言うから、20分間一緒に並んだんだよ」
 お土産が喜ばれ、娘も満足そうだ。亀十に興味を持ち、ネットで調べてみたら、「東京三大どら焼き」の一つであると書かれていた。
「東十条の草月、浅草の亀十、上野のうさぎやだって。へ~」
 草月の「黒松」というどら焼きは、北区の学校にいたとき何度もいただいた。蜂蜜の風味が生きていて生地も軽く、とても130円とは思えない完成度の高さである。ランクインするのは当然であろう。亀十もレベルが高いとわかったけれど、うさぎやのどら焼きについては何も知らない。俄然、興味がわいてきた。
「メトロポリタンと天橋立は無理そうだけど、上野なら手が届く! 6月の土日で空いてる日あるかな」
 誰に頼まれたわけでもないのに、こんな言葉が口に出る。
 併設されたカフェでは、どら焼きをフレンチトーストにしたメニューもあるらしく、狭山茶が飲めるとが書かれていた。ああ、そそられる。これはもう行くしかない!
 三大ホニャララにつられて、引き寄せられる人がここにいた。

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コメント (1)
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