モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

ブナの葉隠れ姫(トガクシショウマ)に再会。(2024年5月15日)

2024年05月22日 | 野草/春

5月15日は仙北市のとある山で久しぶりにトガクシショウマの花を見た。
この山でこの花を見るのは今回で確か四回目くらいか。
前回見たのは2017年5月22日だった(こちら)。
何故こんなに間が空いたのか。
この花が咲く山域はクマ密度がとても高いのだ。

とある山



2017年にこの花を見たすぐ後、
近くの山で山菜取りの女性が
クマに食い殺されるという凄惨な事件があった。
そのため私はその後この花の生育地に近づかないようにしていた。
ところが今年の冬場、ひょんなことから友人のO氏とやり取りしていたら
今シーズン一緒にこの花を見に行こうと言う展開になってしまった。
前回同様、5月22日頃に行くつもりでいたが、
今年は暖冬だったせいか季節の推移が早い。
一週間早めて5月15日に決行した。
生育地のブナ林は新緑の真っ最中だった。













この花のことを思うと、いつも私はシューマン作曲の

『流浪の民』を口ずさんでしまう。

「♪ぶなの森の葉隠れに宴寿(うたげほが)い賑わしや
松明(たいまつ)明(あか)く照らしつつ・・・」

この先は (´π`;)☆\バキ 失念した
が、私は
中学生時代の一時期、合唱部に在籍した関係でこの曲を知った。
ところが今回は爺さん二人が鳴らすクマ除けの楽曲、
鈴やホイッスルの音がけたたましかった。
O氏は更にクマ除けの唐辛子スプレーを拳銃のように腰に下げていた。
いよいよ生育地に到着。




しかし今回、そこに咲いていたのはシラネアオイばかりだった。




 





シラネアオイは以前来た時も有ったが、こんなに多く咲いてなかった。

シラネアオイ姫は葉隠れ姫(トガクシショウマ)よりも開花が遅い印象だった。
それがこんなに咲いているとは、葉隠れ姫の方はもう終わってしまったのか
今年の季節の進展は早すぎる。(T_T)
と落胆。

 


ところがO氏と二人で探し出したら、ホンの数株だが
ブナの葉隠れ姫の咲き残りを見つけた。
花のサイズはシラネアオイに比べるととてもちっこい。

あまり好い写真とは言えないが、列記させて頂く。

 


 

(上二枚写真に写っているギザギザした葉はヤグルマソウのもの)

こちらは葉だけだが、あまり見かけない葉だ。
羊歯のように切れ込んでいるが、オサバグサとはまた違う。




こちらは秋に咲く奇妙な姿の半寄生植物イワテシオガマの芽出しだった
(花の写真はこちらの下の方)。

他に見た花はサンカヨウ(終わる寸前)とオオバキスミレくらいだった。

 



再びブナ林。










「サワオグルマ」に続く。

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2024年5月10日、男鹿三山に名花を訪ねて。毛無山編。

2024年05月21日 | 男鹿半島5月

(本頁は「男鹿三山に名花を訪ねて。真山編。」の続きである。)

真山山頂(厳密には真山神社本殿のある場所)は男鹿三山では
唯一展望の効く山頂だが、
この日は霞や雲で近くの寒風山が見える程度だった。




本山に向かって下るとすぐ杉林に突入。

ここの杉は天然なのか、樹形がワイルドな感じだ。
この先、本山との鞍部、「フタツアイ」を越えても、杉林は続くが、
こちらの林は不思議と植物の種類が多いと感じる。

 


(右上)フタツアイより先の杉林

ヒトリシズカ



ムラサキヤシオの群生地を過ぎると、本山が終わり、毛無山の領域に入る。

ムラサキヤシオ
 



毛無山に入ったら、霧の中に突入。

稜線の広葉樹林は妖しい雰囲気だった。







いよいよオオサクラソウの群生地に到着。









花はもう満開になっていた。
今年のオオサクラソウは開花のペースが早かった。

 


オオサクラソウを見た後は同じルートをサッサと下山した。

真山神社から目潟のある八望台を経由して戸賀湾に出る。

一ノ目潟



二ノ目潟と戸賀湾



その先は男鹿海岸を南下。

途中、加茂青砂付近から男鹿三山のうち本山と毛無山を仰ぐ。
オオサクラソウが咲く毛無山にはまだ雲が懸かっていた。




毛無山の一角、福寿草山にも寄ってみた。

ここは予想通り、林の中はシャクの群生。




シャク



ちょうどエビネも咲いていた。




エビネ
 

(右上)オドリコソウの咲き残り。


クルマムグラだろうか。


以上。

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2024年5月10日、男鹿三山に名花を訪ねて。真山編。

2024年05月20日 | 男鹿半島5月

男鹿毛無山は花の豊富な山だ。
三月はフクジュソウ、四月はカタクリ、そして五月連休明けにはオオサクラソウが咲く。
また三山のひとつ真山に昨年四月下旬に登ったところ、
山頂付近でちょっと気になる花の芽出しを見つけた(こちら)。
5月10日はオオサクラソウと真山のちょっと気になる花の開花を確認しようと思い、
両方の山に登ってみた。

真山から始める。
このお山は花が少ないので今まであまり登っていない。
過去に登ったのは、2017年4月21日2023年4月23日の二回だけ。
今回でやっと三度目だ。
真山の登山は真山神社から始まる。
最初に立派な仁王門をくぐる。







なまはげ柴灯まつり(2月の第2金・土・日に開催)でなまはげ達が下りてくるのはこの石段だ。

この石段を登ると奥に社殿が見えて来る。







登山者は社殿の左側の暗い石段に進まなければならない。

しばし鬱蒼とした老杉並木を通り抜けるが、この坂道はけっこうしんどい。

 


その奥に鎮座する五社殿を過ぎると、普通の登山道に変わる。

 


その後は広大な杉林、雑木林を二回くらい繰り返す。




南の五社堂からのルートとは違い、こちらの登山道沿いに花は少なかった。

それでも目に付いたものを列記してみる。

エンレイソウ(終わり気味)
 


(右上)ルイヨウボタン(終わり気味)

ユキザサ(ちょうど盛り)



ホウチャクソウ

ラショウモンカズラ(終わり気味)



サワハコベ



サルメンエビネ(咲き出したばかり)
 


(右上)ミヤマカラマツ(咲き出したばかり)


キクバオウレン実



真山山頂が近くなったら、急な階段道が現れて来たが、

その両側に白い小花が咲いていた。

 


それはムラサキ科のタチカメバソウだった。
これが山頂まで延々と咲き続けていた。
植物の分布というか生え方は面白いものだ。
何故ならこの花、真山山頂を越えたらパタッと消えた。
本山や毛無山には全く無いのだ。




真山山頂に到着。
ここには真山神社の本殿が鎮座している。

ここは眺めも好いが、
ホントの山頂は50mくらい先、林の中に有った。

真山神社の本殿
 


(右上)真山の山頂


男鹿三山・・・毛無山編」に続く。

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2024年5月5日の八塩山・後編

2024年05月19日 | 東光山・八塩山

(本頁は「2024年5月5日の八塩山・前編」の続きである。)

八塩山山頂台地のブナ林はいつ来ても素晴らしい
が、今回は特に好かったように感じる。



ブナの梢



 





 


山頂台地には鳥海山眺望地が設けられてある。

しばし鳥海山の姿を堪能されたし。










他の山の眺め。



上写真右奥は保呂羽山。
視程が好ければ秋田駒ヶ岳や岩手山も望まれるが、今日は霞んで見えにくかった。

焼石岳はナントカ見えた。




ピサの斜塔ならぬ八塩山神斜いや神社。




山頂台地で見た木の花。

ムラサキヤシオとタムシバは終わり気味だった。

 



オオカメノキの花は今が盛りだった。

下から


上から



風ぴらに下る途中の林の下でイチヨウランを見つけた。

 


風ぴらに下る途中のブナ林と瘤ブナ

 



風ぴらで見た草花たち。

アズマシロカネソウとワサビ


アズマシロカネソウ



エゾエンゴサク(オトメエンゴサク)?
 


(右上)スミレサイシン

今日はクマには遭わなかったが、風ぴらで花を撮っていたら
( ̄(エ) ̄)クマとそっくりの友人から声を掛けられた。
一瞬、ドキッとした。

以上。

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2024年5月5日の八塩山・前編

2024年05月18日 | 東光山・八塩山

(本頁は「こどもの日に見た秋田鳥海山」の続きである。)

今年はクマが怖くて、なかなか八塩山に行けないでいた。

八塩山はクマの多い秋田県でもクマの話をあまり聞かないお山だ。
しかし甘く見てはいけない。登山者が多くなる
五月連休を待ってみた。
そして5月5日の日曜ならば大丈夫だろうと勝手に判断して向かってみた。

羽後町側から旧東由利町に向かうと由利本荘市との境界付近で八塩山が姿を現す。



その山姿を撮影しようと車を停めたら、

道端に白と紫のスミレの群れを見つけた。






それはアリアケスミレとスミレだった。

八塩山に生えている花とは言い難いが、咲きっぷりがみごとだったので、ここで報告させて頂く。

八塩ダム湖越しに八塩山を望む。




八塩山の北麓には八塩ダム湖があり、周辺は「八塩いこいの森」として整備されている。
ここはゴールデンウィーク前にはソメイヨシノが、今回(5月5日)は遅咲きの黄桜が開花していた。
品種名は何だろう。鬱金(うこん)かなと思ったが、確信は持てない。




八塩山のマップ




今回はいつもと同様、北東側の登山口、鳥居沢から入山した。

鳥居沢の登山口
 

登山口の杉林を潜り抜けたら、
いきなり「なんか用か?」てな感じで咲いていたのはメギ科のサンカヨウだった。
八塩山ではシラネアオイを見かけないが、何故かサンカヨウが多い。




道の両側には半月前まではカタクリやエンゴサクがいっぱい咲いていたが、

今回は全て終わり、ニリンソウやオオバキスミレに替わっていた。

ニリンソウ
 

(右上)オオバキスミレ

エンレイソウは終わり気味。

 



次はブナ林となる。

林の中のジグザグ道を進むとほどなくして風ぴらコースとの分岐。
私はいつもと同様、鳥居長根の稜線道を選択。

鳥居長根の稜線道



四月に来るとここではオオイワウチワがいっぱい咲いているが、今は全て終わっていた。
少し登るとロープが現れる。

 



稜線の古木



この後、稜線の右側はしばし杉の植林に変わる。

今の時期、花は少ない。有っても地味なものばかり。

ツクバネソウ
 


(右上)初めクルマバツクバネソウかと思ったが、単に五枚葉となったツクバネソウだった。


チゴユリ



杉林の中を登り、このようなブナの大木が現れると、

急な上り坂もそろそろ終わりかと思ってしまうが、
甘かった。実はもう少し登りが続く。

 

(右上)今度こそ最後の登りだ。樹木の切れ目はラグビーのゴールポストのように見える。

ゴールポストを潜ると、山頂台地の端っこに到着。
この先は苦になる様な坂道はもう無くなる。




「八塩山・後編」に続く。

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