夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『スカイスクレイパー』

2018年09月30日 | 映画(さ行)
『スカイスクレイパー』(原題:Skyscraper)
監督:ローソン・マーシャル・サーバー
出演:ドウェイン・ジョンソン,ネーヴ・キャンベル,チン・ハン,ノア・テイラー,
   ローランド・ムーラー,バイロン・マン,パブロ・シュレイバー,ハンナ・クィンリヴァン他

TOHOシネマズ二条にて4本ハシゴの2本目。

予告編をなんぼほど観たことでしょう。「家族のために、パパ飛びまぁぁぁぁぁっす!」。
いや、そんなとこ飛ぶの、絶対ムリやから!(^^;

FBIの人質救出部隊のリーダーだったウィルは、
ある立てこもり事件で突入したさいに犯人が自爆、巻き添えを食らう。
一命は取り留めたものの片足を失い、義足の使用を余儀なくされるが、
そのときに病院にいた看護師サラと知り合って結婚。
ヘンリーとジョージアという双子の息子と娘にも恵まれる。
今はFBIを退職してセキュリティコンサルタントに。

そんなウィルのもとにかつての同僚ベンから仕事の話が舞い込む。
香港に新しく建設された240階建てのビル“ザ・パール”がまもなく開業するのだが、
そのセキュリティシステムの調査を頼みたいというのだ。
願ったり叶ったりの話で快諾、ウィルは家族を連れて香港へ。
ザ・パールのオーナーと会い、システム管理の最高権限を与えられる。

ところがそれはベンが仕掛けた罠だった。
犯罪組織の一員となっていたベンは、ウィルが手に入れた権限を盗もうとする。
まさか昔の仲間に騙されるとは思いもしなかったウィル。
格闘の末、ベンが死亡、息の絶える直前に陰謀を聞かされる。

システムのハッキングに成功した組織は、ザ・パールで火災を起こす。
高層階に取り残された家族を救うため、ウィルはあらぬ行動に出るのだが……。

『MEG ザ・モンスター』同様、中国資本のにおいがぷんぷん。
別に嫌じゃないですよ(笑)。中国って金持ちだなぁと思うだけで。

義足さえも武器に変えてしまうウィル。
そりゃもうドウェイン・ジョンソンですから、絶対死にません。
どんな危険な目に遭おうと、最後は大丈夫なのが見え見えだから超安心。
しかし240階建てって凄すぎる。
CGだとわかっていても、高層階からの映像はちびりそう(笑)。

サラ役で出演しているネーヴ・キャンベル、お久しぶりの気がして嬉しかった。
『ワイルドシングス』(1998)の頃はよく見かけたのに何処へと思っていたら、
このところTVドラマに多数出演されていたのですね。
あの頃は若かった彼女が今はすっかりお母さん役に馴染んでいて感慨深いです。

ちびりそうになりながらも常に安心のドウェイン・ジョンソンなのでした。
彼が最後に死んでしまうような映画があったら耐えられないかもしれない。(^^;

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『コーヒーが冷めないうちに』

2018年09月29日 | 映画(か行)
『コーヒーが冷めないうちに』
監督:塚原あゆ子
出演:有村架純,健太郎,波瑠,林遣都,深水元基,松本若菜,
   薬師丸ひろ子,吉田羊,松重豊,石田ゆり子他

3連休はやっぱり嬉しい。9月2度目の3連休、初日は祇園で晩ごはん
それまで映画を4本観る計画を立てて、久々にTOHOシネマズ二条へ
4本ハシゴのまずは1本目。

原作を読んでから観ようとしたら、まだ文庫化されていないそうで。
すみません。単行本は持ち歩けないのでめったに買いません。
読むのは文庫になってからにしちゃいます。

昔ながらの喫茶店“フニクリフニクラ”。
店主・時田流(深水元基)とともにその姪・数(有村架純)が働いている。

この店には都市伝説がある。
それは店内のある席に座ってコーヒーを注文すれば、
自分の望む過去の時間に戻れるというもの。
ただし、そのとき過去に戻って何かを成し遂げたところで、現実は変わらない。
しかも過去に戻れるのはコーヒーが冷めるまでの間だけ。
冷めるまでに飲み干さなければ、現実に帰れずに幽霊となるらしい。

噂を聞きつけた人びとがやってきて試そうとするが、
その席にはいつも同じ女性客(石田ゆり子)が座っている。
誰とも話さず、ただ読書をしている彼女は、お手洗いに行くのか、一日に数回だけ席を立つ。
その隙を狙って席に座り、数の淹れたコーヒーを飲んだ客たちは……。

幼なじみの男性(林遣都)と喧嘩別れした女性(波瑠)。
若年性アルツハイマーの妻(薬師丸ひろ子)を毎日迎えにくる看護師の夫(松重豊)。
実家の老舗旅館を飛び出してきた姉(吉田羊)は
たびたび会いにくる妹(松本若菜)を避けつづけている。

面と向かうことをしないまま、話をすることができなくなった相手。
悔いなく生きてきたつもりでも、相手がいなくなってしまうと、
途端にあのとき会えばよかった、話しておけばよかったとよぎる後悔の念。

母親に捨てられたと思い込んでいる数ですが、
そんなことがあろうはずもないと観客は最初からわかるだろうから、
母娘の再会シーンにはあまり心が動きません。
弱々しい有村架純の笑顔も『ナラタージュ』のときと同じに思えてしまう。
数の恋人役の健太郎も『ルームロンダリング』のときのほうが好きだなぁ。
ゆえに、4回泣けますとの触れ込みですが、そんなには泣けない(笑)。
ただ、松重豊と薬師丸ひろ子のシーンは堪らず涙。
それと、松本若菜の「お姉ちゃん!」と笑う顔にも泣かされました。

やっぱり言わなわからんと思いませんか。

そうそう、いい話に水を差すようですが、
「コーヒーが冷める」って、どの時点で冷めるというのか気になって仕方なくて。
冷めると温度計が知らせてくれることになっているけれど、
ピピッて鳴ってからそんなに時間経っても大丈夫なん?「冷めきる」までOK?
こんなんみんな幽霊になってしまうやんと心配しました。

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『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』

2018年09月28日 | 映画(は行)
『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』(英題:Sprit)
監督:チェ・ククヒ
出演:ユ・ジテ,イ・ジョンヒョン,イ・デヴィッド,チョン・ソンファ,クォン・ヘヒョ他

たまにはDVD鑑賞した作品のことも書いてみます。

日本ではDVDスルー、2016年の韓国作品。
なかなか覚えられない韓流俳優の名前ですが、
本作を観て覚えた俳優がひとり増えました。ユ・ジテ
過去の出演作を確かめたら、これまでも見ていたはずなのに、
もしかすると悪役が多かったのでしょうか。
これ1本で大好きになりました。もうたまらん。

クサい副題が付いていますけれど、原題はシンプルに“Sprit”。
あまりに気に入ったので、DVDを注文済み。

かつてパーフェクトゲームを達成したことのある元プロボウラー、チョルジョン。
大スターだったのに、事故で脚を負傷し、選手生命を絶たれる。
今は旧友の女性ブローカー、ヒジンが持ち込む非合法な賭けボウリングで糊口をしのぐ日々。

そのヒジンには父親から譲り受けたボウリング場がある。
しかし、経営難に陥って借金のかたに取られてしまった。
ボウリング場を取り戻せるか否かは、チョルジョンの腕にかかっている。

ボウリング場で雑用係の職を得たチョルジョンは、
毎日ひとりでやってくる不思議な青年を見つける。
彼はヨンフンといい、自閉症。へんてこなフォームのくせにストライクを連発。
これはイケると直感、チョルジョンはヒジンとともにヨンフンをスカウト。

ヨンフンは抵抗を見せながらも賭けボウリングの仲間に。
チョルジョンとヨンフンが組んで連戦連勝。
荒稼ぎして、ヒジンがボウリング場を取り戻す日も近いと思われたが……。

チョルジョン役にユ・ジテ。ヨンフン役にイ・デヴィッド
上手い。めちゃくちゃ上手い。

なぜか名前を呼ばれると取り乱すヨンフン。
ほかの人の言うことは聞かないのに、チョルジョンの言うことだけは聞くし、
誰とも目を合わそうとしないのに、チョルジョンとだけは目を合わせます。

チョルジョンとヨンフンの絆に感じ入り、このコンビをいつまでも見ていたくなる。
だけど話は穏やかには進まず、バイオレンスな展開に。
悪い奴はほっんとに悪いから。こんなに憎々しく演じなくても(笑)。
賭場での駆け引きもめちゃくちゃ面白かった。

どうしてこれを劇場公開してくれなかったのか。
ユ・ジテの表情に泣かされます。
一応のハッピーエンドもちょっぴり切なくて、なんとも言えない余韻。

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『ザ・プレデター』

2018年09月27日 | 映画(さ行)
『ザ・プレデター』(原題:The Predator)
監督:シェーン・ブラック
出演:ボイド・ホルブルック,トレヴァンテ・ローズ,ジェイコブ・トレンブレイ,
   キーガン=マイケル・キー,オリヴィア・マン,スターリング・K・ブラウン他

大阪ステーションシティシネマでヘヴィーすぎる『愛しのアイリーン』を観て、
TOHOシネマズ梅田へ移動。これはアタマ空っぽにして観られるはず。

言わずと知れた“プレデター”シリーズ。
1作目はジョン・マクティアナン監督の『シュワルツェネッガー/プレデター』(1987)でした。
本作のシェーン・ブラック監督は、
その1作目にシュワちゃん率いる特殊部隊の隊員として出演していたそうです。へ~っ。

予告編を観て、“プレデター”といえばジャングルの中なのに、街なかの話なのかな、
イマ風か知らんけど、なんか超合金っぽいし、
“トランスフォーマー”とか“パシフィック・リム”と変わらんやんと思っていました。

しかし始まってみたら、やっぱりジャングルの中。
超合金っぽくもなく、ものすごくグロいです(笑)。
物語は1987年版の続きという設定。

米軍特殊部隊のスナイパーであるクイン・マッケンナは、
暗殺作戦に従事中、突如現れた宇宙船の墜落に巻き込まれる。
墜落地点に向かうと、宇宙船の搭乗員らしきエイリアン“プレデター”と遭遇。
仲間を皆殺しにされるが、クインはかろうじて生き残り、
宇宙船の残骸の中に見つけたプレデターの装備品を入手する。

きっと厄介なことになると確信したクインは、その装備品を自らの私書箱に送るが、
私書箱に入りきらずに自宅まで届けられ、一人息子のローリーに開けられてしまう。

知的障害を持ちながら、ある分野に天才的な能力を見せるローリーは、
プレデターの装備品を起動させることに成功。
起動された結果、プレデターがローリーの存在を知ることになる。

政府がひた隠しにする「見てはいけないもの」を見てしまったせいで、
精神病院に入れられることとなったクイン。
元軍人の同じく厄介者と共に搬送される途中、
生態学者のケイシー・ブラケットがクインとの面会を希望。
ケイシーがいる秘密基地へと寄ることになるが、
その秘密基地では捕縛されたプレデターが息を吹き返していて……。

最前列中央席で観ました。迫力があって(笑)、楽しかったです。

主役のボイド・ホルブルックは顔と声にギャップがある。
声はシルヴェスター・スタローンに似てません?

クインと一緒に戦う元傭兵軍団が良いんです。
個性豊かで、頼りになる面々。みんな生き残ってほしかったけど。
軍団のうちのひとりにトーマス・ジェーンの名前が。
見ているときは気がつきませんでしたが、エンドロールで「えっ」。
確か昔サメに襲われる映画に出ていた人と思ったら、ドンピシャでした。
その『ディープ・ブルー』(1999)では主役を張るほどだったから、まぁまぁイケメンだったのに。
こんなイカれたジジイ役になっているなんて。

ローリー役のジェイコブ・トレンブレイはやはり上手い。
この子、将来どんなふうになるのでしょう。彼の今後にも注目。

人間に近い体型で、昆虫とか甲殻類ぽいのってグロいんだなぁ。
あまり気持ちよくはありません。(^^;

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『愛しのアイリーン』

2018年09月26日 | 映画(あ行)
『愛しのアイリーン』
監督:吉田恵輔
出演:安田顕,ナッツ・シトイ,河井青葉,ディオンヌ・モンサント,
   福士誠治,品川徹,田中要次,伊勢谷友介,木野花他

3連休最終日に2本だけ。
1本目は大阪ステーションシティシネマにて本作を。

吉田恵輔監督の作品はどれも大好きですが、ものすごくキツイ。
作品を重ねるごとに凄絶さが増しています。
R15+になっているものの、高校生がこんなの観ちゃ駄目(笑)。
カップルで観に行くのも駄目。よほどの変態でないと。

農家の息子・宍戸岩男(安田顕)は42歳の独身男。
老いた母親・ツル(木野花)、認知症の父親・源造(品川徹)と実家暮らし。
ツルはなんとか早く岩男を結婚させようと、
ひっきりなしに見合い相手を連れてくるが、岩男は興味を示さない。

かと言って、岩男は結婚したくないわけではない。
勤務先のパチンコ店の同僚・吉岡愛子(河井青葉)のことが気になる。
その愛子から食事に誘われて有頂天。
ところが愛子がほかの同僚とヤリまくっていると聞いて愕然。
ならば自分もヤラせてもらおうと思ったのに、
愛子から「本気は困るのよね」と言い放たれる。

ヤケを起こしたか、岩男が行方不明になってツルは大騒ぎ。
そんななか源造が亡くなり、葬儀のさいちゅうに岩男が帰ってくる。
フィリピン人の嫁・アイリーン(ナッツ・シトイ)を連れて。

愛子にフラれた岩男は、貯金300万円を握りしめてフィリピンへ飛んだらしい。
行きつけのフィリピンパブのオーナーが仲介する嫁探しツアーに参加するため。
30人の嫁候補から岩男が選んだのがアイリーン。
貧しい大家族に毎月仕送りを約束して日本へと戻ったわけだが、
大事な息子をフィリピン人に盗られたとツルは激怒。

ツルに認めてもらえず、岩男は当面近所のホテルに泊まることに。
言葉も通じない女だが、妻は妻。ヤリ放題だと思いきや、アイリーンは断固拒否。
毎日生理だと偽って、触るのも触らせるのも許さず……。

バイオレンスなラブストーリー。
しかし岩男がキモすぎる。息子のひとりエッチを毎晩覗くツルもキモい。
岩男は「オ○ンコ」を連発し、こんな作品だと想像していなかったら、
この辺りで退場する人がいても不思議じゃない(笑)。

なのに涙が溢れそうになってしまったシーンもいくつか。
まず、認知症の源造が倒れる間際のシーン。
木立のなかで岩男が彫っていた文字が明らかになるシーン。
圧巻はラスト、ツルとアイリーンが雪の中を歩くシーン。
安田顕よりもむしろこのふたりが凄かったと思うのでした。

人には絶対お薦めできない。でも強く心に残る作品です。

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