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乳と蜜の流れる国




湾岸戦争勃発前夜、ゴラン・ハイツのイスラエル人家庭にしばらく滞在していた。


農業とその加工品の会社を経営する裕福な家庭で、高校生を筆頭に3人の息子がおり、

開放的で洒落た屋敷には「自衛のため」のライフルが数本常備されていた。


ある日この家のマダムが、「いつ始まるか分からないからね。うちは男の子だし。」と言った。
息子たちはライフルを我先に取り出しに行き、誇らしげに見せてくれた。


何千年もの伝統を、自分がその伝統の鎖の一つとなり、過去から未来に伝えていくことは名誉なことなのだろう。
自分個人の命ではなく、民族全体の命という視点で見れば、「命あっての物種」など小さい、ということなのだろう。



子どもの命よりも大切なもの、子どもの命よりも守るべきものがあるなど、その時も、自分が母親になった今も、わたしには分かろうとしても全く分からない
(わたしが数百年前の日本に生まれていたら分かったかもしれない)。



毎日一日中だらだら食べていた、甘い杏のことを思い出す。






センチメンタルに書いてしまったが、結局は宗教や民族の争いなどではなく、それらを利用した政治の問題であると思う。



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12月中旬






今年もあとわずか。
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夫の時差ぼけ




夫は出張が多い。
米国から欧州へ戻った時には、特に激しい時差ぼけにつきまとわれるらしい。

午前3時くらいにぱっちり目が覚め、正午前後に昼寝がしたくなるのがパターン。


彼が夜中の3時に目を覚ました時に一緒に起きてコーヒーを入れてもらい、しょうもない話をするのが好きだ。

キッチンから見える庭は真っ暗で、ランプの光を灯した中、家電の音だけが聞こえるような時間。










2人でしょうもない話ばかりしていると、「なんでこんな男と結婚したんやろ。ノーベル賞を狙えるような科学者と結婚したかったなあ(今年の日本の受賞者はみなさまステキだったし)。」と絶望の底に叩き落とされることもある(笑)。

そんな時わたしの機嫌はみるみる悪くなるのだが、彼はそんなことは百も承知で、にこにこしながらこっちを見ているので、わたし程度の人間にはこんな人でももったいないくらいなのだろう、と思うことにしている。

合掌。



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ディケンズ村






黄昏のディケンズ村。大雪。



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リース






サンタクラース祭が終わり、門にリースを飾った。


去年、ブルージュの街では、民家のクリスマスの飾りが
ことごとく破壊されるという野蛮な騒ぎが起こったので、かなり控えめ
(地味とか派手とかは破壊行為を動機づける基準ではないかもしれないが)。

リースって厄よけなんだけど(笑)。厄を呼んでどうする。

厄よけが厄を呼ぶ
イワシの頭が蝿を呼ぶ



わが家は旅行中の大晦日にガレージのガラス戸が割られ、
隣人が応急で貼ってくれた段ボールの切れ端とガムテープが妙に生々しかった記憶が。

この平和なブルージュでねえ。





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