ドイツの森をヒントに名づけられたギャラリー「黒い森美術館」は、森に面した大きな窓が特徴です。
窓越しに見える自然の緑を意識して作品を展開する作家も少なくありません。
今回の、陶による造形作家と、人形作家による2人展も、屋外の窓の近くに人形を1体置き、動植物のモチーフが多くあるなど、ロケーションをじゅうぶんに踏まえた展観になりました。
窓ガラスに次のような詩句が縦書きで印字されています。
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こんなことをいきなり書くとしかられそうですが、今週は仕事が忙しく、当初は見に行く予定はありませんでした。滝川に住む杉山さんの作品は大変にユニークで、女性向けのかわいらしい世界観とは明確に一線を画した独特のものではありますが、正面切って
「これ、アートかな?」
といわれると、アートというよりは趣味だと感じたというのも理由です。
急いで付け加えると、アートだと偉いというつもりも全くありません . . . 本文を読む
Retara Gallery 時代にはギャラリーの企画展として開かれていた「北海道のアーティスト」展。
貸し画廊となり有志がお金を出し合って出品する形式になって2度目ですが、40~80代の多彩な顔ぶれによる小品が並びました。
今回は1人2点(ただし彫刻・立体の作家は1点)という前例のない試みで、かなり見応えのある展示になりました。
冒頭画像の手 . . . 本文を読む
写真表現の可能性を探ろうと、札幌の野呂田晋さんらが毎年メンバーを集めて開いているグループ展。
こういうタイトルなので、道内にとても多いネイチャー系や、ポートレイトは、出る幕はない。実験的な取り組みをする写真家や画家が、毎年少しずつ顔ぶれを変えて出品している。
今回は昨年から10カ月ほどしかたっていない。
そして、vol.2 や vol.3 のときにあった、充実したFacebook ページ . . . 本文を読む
「陶工房白うさぎ」の飯田順子さんが、札幌大谷大・札幌大谷短大の同窓の作り手たちに声をかけて毎年開いているグループ展。
本来は18日まででしたが、キャンセルが出て、25日まで延長になりました。
19日は月曜なのでお休み。20日から会場レイアウトを一部変更し、隣室の「真冬の楽描き展」と部屋をつなげて、展示即売を続行しています。
出品者と分野、各自のサイトなどは次の通り。21日以降、一部 . . . 本文を読む
札幌国際芸術祭SIAF2024の公募プロジェクト。
19人が出品しており、過半数は札幌大谷大で写真を学んだ学生や卒業生。大判カメラで撮った大きなプリントを、古い家屋の廊下などに展示しています。
ただ、やはり次の6人が圧巻でした。
大橋鉄郎
今 義典
酒井広司
鈴木涼子
露口啓二
畑江俊明
名前だけ見ても「そりゃそうだよな」と思っちゃうわけですが。
このうち大橋さんと鈴木 . . . 本文を読む
さいとうギャラリーは貸しギャラリーですが、夏と年末年始には、道内の画家、彫刻家、イラストレーターなどによる小品の企画展を毎年開きます。
夏は毎回異なったテーマを決めていますが、年末年始は特にありません。
撮影禁止なのも、例年と変わっていません。
今年はいつになく、干支をモチーフにした絵が多かったです。
画家は竜を描いてみたいものなんでしょうか。
出品者とタイトルは次の通り。
高 . . . 本文を読む
札幌南高書道部は2011年から毎年暮れ(昨年は28日)に、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)で書道パフォーマンスを行っています。
チ・カ・ホの北3条附近に、1月3日まで展示されているのは、パフォーマンスで書いた作品そのものではなく、同じ内容で事前に仕上げたものだそうです。
周囲には、上川管内東川町の現代美術作家で僧侶の風間天心さんが、水引による装飾「青龍ーBlue Dragon」を施し、通 . . . 本文を読む
今田朋美・久藤エリコ・鼓代弥生・齋藤周・楓月まなみの5氏によるグループ展。
5人の作品がかたまってそれぞれ展示されているのではなくて、混在しながら空間を占めているのが最大の特徴です。
とりわけ、大小・不定形の切り絵をつるして展示する久藤さんの作品が、他のメンバーに影をゆらゆらと落とし、楓月さんの長大な染色がギャラリーの天井附近を横断しています。
楓月さんは差し渡し8メートルや6メートルとい . . . 本文を読む
ユニークな水彩画やオブジェをつくる札幌の本田征爾さん。
札幌で毎年最低2回は個展を開く、精力的な仕事ぶりです。
空想上の動物や人間、犬や星、月夜の風景など、なんとも形容しがたい独特の世界が広がります。
じつにコンスタントに創作を続けているので、かえって、このブログで紹介することが減ってしまっていますが、本田征爾さんは変わらないな~と思います。
そんななかで、今回の特徴は、リバーシブ . . . 本文を読む
道立近代美術館で、日本画メインの展覧会が二つ開かれていて、とても対照的なのがおもしろかったです。
右側の展示室で、STVが主催してガンガン宣伝している展覧会は、美術全集や画集に登場するような大家の名品が並んでいます。
半面、おもに所蔵品展に用いられている左側の部屋は、道立近代美術館の単独主催で、戦後の革新的な日本画を展示しています。
つまり、オーソドックスな、いかにも一般に流布しているイ . . . 本文を読む
札幌のデザイナーで、その経歴を生かした多彩なアート作品を手がける畑江さん。
精力的に制作・発表しており、シンプルでメルヘン調の絵や、海外で昔撮ったスナップ、自宅のネコの写真など、多岐にわたって個展やグループ展に並べてきました(New Point やナカジプリンツなどで若手と一緒に出品しているのがすごい)。
今回は、以前取り組んでいた立体のシリーズが中心。
材料の針金は自宅で溶接してを組み . . . 本文を読む
(承前)
小樽詩話会は、1963年に発足した詩の同人誌です。
旭川の「青芽」が終刊になり、600号を超えいまなお雑誌の発行を続けている小樽詩話会は、いまや道内最長寿の文学誌の一つといっても過言ではないでしょう。
同人も小樽だけではなく、オホーツク管内など各地に散らばっています。
特徴をいえば、冒頭画像で、戦後日本版画の鬼才といわれる一原有徳さんの担当した表紙の号が並んでいることからも . . . 本文を読む
「Essence」と題した札幌の Furukawa Yukoさんの個展を6月上旬に見ました。
動物や植物、キノコをモチーフにした布製のアクセサリーや立体が並んでいました。写真作品も数点ありました。
終了してから日時がたってしまっていて(申し訳ありません)、くわしく紹介しづらいのですが、個人的に気になっていることをひとつだけ書いておきます。
べつにどのように見ようと自由なのでしょうが、 . . . 本文を読む
(承前)
札幌市資料館では四つの展示が開かれているとサイトにあったが、そのうち一つは予定の午前10時になっても会場が開く気配がなかった。
冒頭から3枚の画像はいずれも「絵に描いた餅」展の会場風景。
数人のグループ展。
もちろん「絵に描いた餅」とは、慣用句なのだが、その通りの場面を出品者が描いている。
こういうばかばかしいことを大真面目に取り組む姿勢は、筆者はけっこう好きである . . . 本文を読む