北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

越後妻有から東京を経て札幌に帰る 06夏休み(37)-完結

2006年10月17日 21時03分23秒 | 2006夏 越後妻有など
 品川駅の「駅ナカ」のレストラン兼バーのようなところで、しょうが焼き定食を食う。  くたびれていたのか、コップをひっくり返して水をまきちらしてしまう。  店の入り口に求人の紙が貼ってあり、「時給1000円」とあったのにびっくり。東京は景気がいいんだなあ。  エアドゥ26便で、新千歳へ。  画像は羽田空港。じぶんで言うのもなんだけど、雰囲気出てるでしょ?  ここまで読んでいただいた読者のみなさん、 . . . 本文を読む

プライスコレクション「若冲と江戸絵画」 06夏休み(36)

2006年10月16日 22時49分57秒 | 2006夏 越後妻有など
 とにかくすごい人。「雪舟展」並みの混雑で、非常にくたびれた。  絵の前からぜんぜん人が動こうとしないので、列も前に進まない。  おかげで時間が足りなくなり、せっかく最後に、ライトの方向を変えて屏風などを展示していた興味深いコーナーは駆け足になってしまった。  込んでいるときの東博は2時間半あってもたりないぞ、というのが教訓としてのこった。  それにしても外国人コレクターの執念というか情熱をまざま . . . 本文を読む

花鳥-愛でる心、彩る技 06夏休み(35)

2006年10月16日 09時39分26秒 | 2006夏 越後妻有など
 読者の方も、このシリーズがまだつづいていることをお忘れでしょうが(筆者も忘れかけていた)、もうしばらくおつきあいください。  といっても、もう2カ月前のことなので、ほとんどおぼえてません。  東京滞在は、ちまたで話題の伊藤若冲を見るためだけといってもいい、短いものでした。  三の丸尚蔵館でひらかれていた展覧会は、途中4度も展示替えをするため、目玉の若冲「動物綵絵(さいえ)」のうち見ることができた . . . 本文を読む

越後妻有から東京へ 06夏休み(34)

2006年10月06日 21時17分27秒 | 2006夏 越後妻有など
 十日町から乗った特急はくたか7号は満席で、越後湯沢まで立ち通しだった。きょうが8月16日で、1年間でもっとも列車が込む(「混む」は誤用)時季だということをわすれていた。  越後湯沢まではたった24分だからまだしも、そこから東京まで立ちっぱなしではたまらない。乗るつもりでいた新幹線(maxとき322号)の5分後に、越後湯沢始発のたにがわ410号がある。こっちに乗れば確実に座れるだろうと踏んで「たに . . . 本文を読む

越後妻有交流館・キナーレ 06夏休み(33)

2006年10月05日 20時53分50秒 | 2006夏 越後妻有など
 ところが、ガイドブックの地図で見ると駅からすぐにありそうな「キナーレ」は、歩いていくと10分以上かかるのである。これは、札幌でたとえれば、エスタ(ビックカメラ)から京王プラザホテルまでまっすぐ歩くと大した距離ではないのに、線路と平行した道路がなく、いったん北3条通まで南下しないと行けないような、ちょっと腹立たしい事態なのだ。  キナーレの建築自体も作品だし、中には温泉もあるほか、たくさんの作品が . . . 本文を読む

越後妻有・再び十日町へ 06夏休み(32)

2006年10月04日 21時46分51秒 | 2006夏 越後妻有など
 ことしはバスツアーが来ないので、松代商店街としては3年前(前回のトリエンナーレ)よりも客は少ないらしい。それでも池田さんは「東京で個展をやるよりずっとお客さんが多い。こんなにたくさん見に来る人がいるとは思わなかった」と話していた。  今回のトリエンナーレでは、何度も現地に下見に来ているが、総合プロデューサーの北川フラムさんもいっしょにまわってくれたという(当初から松代で発表するときまっていたわけ . . . 本文を読む

越後妻有・池田緑さんに会えた 06夏休み(31)

2006年10月04日 00時09分59秒 | 2006夏 越後妻有など
 なんとびっくり、会場には池田さんがいらして、作品「家の年輪プロジェクト」の記録のためビデオカメラをまわしていたのだ。  このblogの読者には池田緑さん(帯広)の作品をごらんになった方も多いと思うが、近年は「マスクプロジェクト」と題し、樹木にマスクをかけるなどの行為や、それを記録したビデオを通して、地球環境の悪化や新型肺炎などの問題を浮き彫りにしている。美術の勉強のためにニューヨークに短期留学 . . . 本文を読む

越後妻有・松代のホスピタリティ 06夏休み(30)

2006年10月02日 00時11分55秒 | 2006夏 越後妻有など
 松代(まつだい)は、旧宿場町らしい街並みもすてきだったが、ホスピタリティというか、歓迎の心にも、ちょっと感動した。  冒頭の画像は、商店街の一角に設けられた無料休憩所。筆者は、チェックアウト後で重い荷物をかかえていたため、ひとやすみしていたら、地元の女性が 「すいません、すいません」 と駆け寄ってきて、冷たい麦茶をごちそうしてくれた。  すいません、だなんて、こっちがタダで休ませてもらっているの . . . 本文を読む

越後妻有・松代の街道沿いに 06夏休み(29)

2006年09月30日 00時45分57秒 | 2006夏 越後妻有など
 松代商店街、通称「松之山街道」の続き。古い家と街並みがすきな筆者は、もう大喜びである。冒頭の画像はお茶屋さん。渋いなあ。  つぎは肉屋さん。          自動車交通が国道に回ってしまったこともあるし、たたんでしまった店も散見され、「活気あふれる」とまではいかない。それでも「さびれてしまった」というほどではなく、いい感じで店と家がたちならんでいる。  それらの店先や空き店舗を利用するかたち . . . 本文を読む

越後妻有・松代へ 06夏休み(28)

2006年09月28日 21時22分33秒 | 2006夏 越後妻有など
 明けて8月16日。東京を経て札幌に帰る日。その前に、越後妻有アートトリエンナーレで、見に行かなくてはいけないところがある。  きょうも晴れて、暑い日になりそうな気配だ。  前日のバスツアーで立ち寄るものとばかり思っていた松代(まつだい)地区。けっきょく農舞台にしか行かなかったので、16日の朝にひとりで訪れることにした。松代には、ことし出品の池田緑さん(帯広)の作品があるのだ。越後妻有に行くかどう . . . 本文を読む

十日町の夜・続き 06夏休み(27)

2006年09月28日 01時57分24秒 | 2006夏 越後妻有など
 昼は「越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ 大地の芸術祭」でたっぷり美術鑑賞、夜はうまい地酒を飲んで地元の人と会話を楽しみ、すっかり良い心持になった筆者は、酔いざましもかねて、夜の十日町をぶらぶらと散歩した。  ふと思い立って、今回のトリエンナーレで評判になっているという、レアンドロ・エルリッヒ「妻有の家」を見に行くことにする。  しかし、夜おそかったため、作品にはシートがかけられ、見ることは . . . 本文を読む

十日町の夜 06夏休み(26)

2006年09月27日 05時31分03秒 | 2006夏 越後妻有など
 8月15日に新潟県十日町市などで見た越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ大地の芸術祭の感想を延々と書いているわけだが、35度の猛暑の中でたっぷり美術鑑賞を堪能したあとで考えることは、ひとつしかない。つまり、うまいビールが飲みたい、である。ホテルを出て、十日町の中心街をほっつきあるきだした。 十日町は、飲み屋が密集しておらず、商店街のあちこちに点在している。筆者が旅先でひとりでのみに出るのはほと . . . 本文を読む

越後妻有トリエンナーレを考える・続き 06夏休み(25)

2006年09月25日 23時15分37秒 | 2006夏 越後妻有など
(承前)もっとも、アートに、高齢化や交付税削減などによって元気のない地方経済を、ほんとうに浮揚させる力があるのかどうかは、専門家でない筆者にはわからない。冒頭の画像は、十日町の中心商店街にあった「娯楽会館」跡の廃墟だ。  中心商店街は、駅通りや本町通りはそこそこ店が開いていたが、「コモ通り」はみごとなまでの「シャッター街」であった。単に、お盆休みだったのかもしれないが。  東京などから人が大挙して . . . 本文を読む

越後妻有アートトリエンナーレを考える 06夏休み(24)

2006年09月25日 23時09分52秒 | 2006夏 越後妻有など
 画像は、松代・農舞台の裏山にある、田中信太郎「○△□の塔と赤とんぼ」。高さ14メートルという。地元の「こへび隊」の人が言う。 「第1回のころは、トリエンナーレ反対派の急先鋒の人が『赤トンボはあんな風に飛ばない。撤去すべきだ』と主張してたんですよ。その人、今はすっかりトリエンナーレの応援団になっていますけどね」  もっぱら大都会で制作と鑑賞がおこなわれてきた現代美術が、いきなり越後妻有という過 . . . 本文を読む

越後妻有・十日町に戻る 06夏休み(23)

2006年09月23日 05時04分11秒 | 2006夏 越後妻有など
 バスは午後6時過ぎ、出発地の十日町駅前にもどってきた。おつかれさま~。  重たい荷物を持って、駅徒歩6分のところにある、妙な名前のビジネスホテル「むかでや」へ行き、チェックイン。  6階建てのホテルといっても、耳の遠いおばあさんがひとりでフロントにいるような宿だ。  駅とホテルの間にも作品があった。  冒頭の画像は、千葉大学栗生明研究室有志による「ユキノミチ」。  ただの「はさがけ」に見えるが . . . 本文を読む