北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■Finish and Begin 夕張市美術館の軌跡1979-2007、明日へ(4)

2007年03月27日 23時30分20秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 館内の一角にある市民ギャラリーでは、比志恵司さんと松原攻さんの2人展がひらかれていた。
 比志さんは例によってほわーんとした抽象画。
 松原さんは水彩で、ほとんど点描といっていいぐらい、色の置き方が細かい。

 この市民ギャラリーの利用額は1日1000円らしい。
 札幌とくらべると破格の安さだが、条件がちがうので単純に比較はできないだろう。
 このギャラリーも、新年度から、どうなるのだろう。

 上木館長とお話をする。
 美術館の建物はもともとボウリング場で、すでに築40年近くたっているので、ここ数年は、維持管理がいちばん頭を悩ませる問題だったという。
 暖房は何度も修理しているし、天井の高いところにある蛍光管の交換も大変だったそうだ。

 展覧会には計4500人近くが入場した由。

 気になる新年度の体制だが、加森観光は、ゴールデンウイークから半年間だけ開けて、あとは閉館とするつもりという。
「冬場は暖房を入れてくれるので、所蔵品にとっては助かった」
と上木さん。

 もっとも、上木さんは清水沢支所に異動になるし、学芸員の源藤さんも市教委にひきあげてしまうので、館に市職員は誰もいなくなる。(これは、加森側にとって、誤算だったフシがある)

 加森側には、美術館運営のノウハウはないだろう。源藤さんが折にふれ助言していくことになるのかどうか、新しい体制はまだ固まってはいないようだ。

 上木さん、いろいろありがとうございました。


 筆者としては、これまでどおり、美術館らしい企画展を年1、2度はひらいてほしいと思う。
 しっかりした展覧会をひらいて、図録を編み、そしてパネルディスカッションやワークショップといった関連の催しもおこなうのが、美術館ってもんだろう。
 しかし、観光施設という位置づけなら、炭鉱の絵をずーっと架けっぱなしにして、あまり一般になじみのない抽象系の絵などは所蔵庫に放り込んでおくことになるのかもしれない。まあ、いまからあまりあれこれ想像しても始まらないのかもしれないけれど。

(この項、いちおうおわり)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。