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■中橋修展 内包-連鎖- (7月2日まで)

2009年06月29日 20時49分55秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 
 札幌の美術作家、中橋さんは、絵画から出発し、21世紀に入っては立体造形へと制作の幅を広げている。

 白と黒を基調にしたシンプルな造形をインスタレーション的に展開した個展が多かったが、今回は、独立した小さめの立体作品をならべている。

 といっても、いわゆる彫刻とはちがう。
 一見すると、発注して作らせたもののようにも見えるほど精密にできているが、そこは手作業だけに、等間隔のスリットもわずかなずれがある。
 いわゆるミニマルアートにはない味だと思う。

 会期中は作者が会場におられるので、いろいろ聞いた方がたのしい。
 ざっと見ただけでは気づかないこともあるからだ。


       

 たとえば、この「はしご」状の、縦に細長い立体。
 昨年の「はしご展」出品作のミニチュアとも思えるが、見る角度によって、向こうの壁が見えたり見えなかったり…。

 つぎの作品は、会場のつきあたりに置いてあるが、横縞のつくるモアレが、作品からの距離によって微妙に変化する。

                 
                 

 とりたててめずらしい現象でもないが、わざわざ作品化するのはあまりないかもしれない。
 いわば、オプアートの立体版といえなくもない。


             

 こちらは、会場の左側(北側)のスペースにある作品群。
 空中へとつづく階段は、ブランクーシの無限柱を聯想させる。
 中央の黒い作品は、文章にしたがって鑑賞者がふたをずらすというもの。
「おなじ文章でも人によって読み取り方がぜんぜんちがうのがおもしろい。そこに着目すればコンセプチュアルアートになるよ」
と中橋さん。


             

 正方形の小品。
 中央部分の突起あるいは陥没は、アクリルの板をろうそくの炎で熱して変形させたもの。
「ひとつひとつはおなじに見えて、じつはすべて違っているんです」
 作者の意図は、作品だけではなく、人間存在のありかたにまで向かっているのかもしれない。


2009年6月23日(火)-7月2日(木)10:00-19:00(最終日-18:00)
紀伊國屋書店札幌本店2階ギャラリー(中央区北5西5 地図A)


□ART WORKS NAKAHASHI http://www5.ocn.ne.jp/~naka565/

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