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■道銀文化財団アーティストファイル 林 亨 展 心を浮かべて (2022年4月18~22日、札幌)

2022年04月26日 20時35分09秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 林さんはほぼ毎年、北翔大のグループ展や「CROSS WAVE」展に出品していますが、会場は北翔大円山キャンパス(旧ポルトギャラリー)とコンチネンタルギャラリーであり、個展は久しぶりです。また、中心部での作品発表を見たのは、ひょっとすると1997年のスカイホール以来かもしれません。

 さらに、林さんの絵は横位置のものが多かった記憶があり、今回のような縦位置の作品も珍しく感じました。

 室内には入ることができず、ガラス越しに作品を鑑賞するという、近年のらいらっく・ぎゃらりいによくある方式です。
 床には、北翔大円山キャンパスでの展示の際とはくらべものにならないほど多くの木の玉が床の上に転がっています。

 作品自体は、3月の「フィギュールの森 2022 北翔大学北方圏学術情報センター プロジェクト研究美術グループ成果報告作品展」などの延長線上にありますが、青く太い縦縞は、抽象画のようにも、木の幹のようにも見えます。
 具象と抽象という問題設定自体が手垢の付いたものだという印象をまぬかれないかもしれませんが、抽象と具象のあわいで、林さんの世界は絶妙のバランスをとっているようにも感じられます。


 以下、ぎゃらりいのウェブサイトから引用します。

「心を浮かべて」というタイトルは、人間にとっていちばん大切と思われているもの(心)を、自身の身体から意識的に解き放つ状態に出来ないか、という発想から生まれました。元々人間には心はなかった、あるいはいくつかの種類の心を持っていた、という説があります。人間や社会の変化によって心も進化してきたというものです。また、古代中国においては、人間にとって心の存在が大きくなるにつれて、心を使った文字が増え、言葉も増え、そこから、様々な概念の気づき現象が起こったという説もあります。心によってがんじがらめになった人間、あるいは身体を少し解き放つ時間を持ってみてはどうか。このシリーズ作品は、そういうきっかけをつくりたいと思って制作しています。

林 亨 


 なにやら現代アートのコンセプト至上主義と一線を画そうという意図が隠されているような気もするテキストですが、すべての表象を言葉の意味で割り切れると思っている人がいるのだとしたら、それは短慮だと筆者も言いたくなることでしょう。


 なお、このスタイルの展示では、朝早くから夜までギャラリーの電灯はともっているようで、忙しい勤め人には案外やさしい発表スタイルといえそうです。


2022年4月18日(月)~24日(日)照明点灯時間 午前7時~午後8時(最終日~5時)
らいらっく・ぎゃらりい(札幌市中央区大通西4 北海道銀行本店)

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