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札幌西武9月末閉店 「ロフト」も営業終了(つづき)

2009年05月31日 23時23分23秒 | つれづれ日録
承前

 きのう書き漏らしたこと。

 つまり、札幌市民や北海道民は、せっかく札幌に西武百貨店があったにもかかわらず、いちばんおいしい思いはしていないのではないか、ということだ。

 浅田彰がどっかで書いていたが、1980年代、日本の文化を大きくリードしていた力のひとつが、西武=セゾングループだったのは、まちがいない。
 現代美術の展覧会や映画祭をやったり、その勢いはたいへんなものだった。
 1984年の、いまや伝説となっているヨーゼフ・ボイス展、2度にわたりロシア・アヴァンギャルドを紹介した「芸術と革命展」、ジョナサン・ボロフスキー展などは、西武美術館がなかったら開かれていなかっただろう。

 でも、五番舘が名実ともに「札幌西武」になったのは1992年。
 西武の文化事業がいちばん元気のあった時代は、すでに終わっていた。

 札幌パルコにアール・ヴィヴァンはあったと記憶しているけど、池袋の本店にはくらべようがない小さい本屋だったし、あとは「WAVE」がCDの品ぞろえが豊富でありがたかったなーというぐらいの思い出しかない。

 バブル期、札幌・小樽に文化の薫りをもたらした百貨店は、丸井今井グループだったのだ。
(そして、それが丸井今井の経営の足をのちのちまで引っ張る要因のひとつになった)

 思えば、あのころにくらべると、全国の百貨店の美術館は続々閉館している。
 かといって、郊外のショッピングセンターが文化に力を入れているという話もきかない。
 商業主義でもなんでもかまわないから、文化の薫りのするお店がもうちょっとあってもいいと思うけどなあ。


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2 コメント

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西武文化といえば (おけら)
2009-06-01 16:48:43
朝日新聞社のPR雑誌「一冊の本」に、永江朗という人が連載しているシリーズ「セゾンの人びと」が面白いですよ。
Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-06-01 23:48:08
おけらさん、コメントありがとうございます。
永江さんは北海道出身のライターですね。
セゾン出身者、というくくりでも、車谷長吉とかいろんな人がいるんですよね。

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