北海道美術ネット別館

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多面的空間展 vol.8(4月29日まで)

2006年04月26日 00時06分33秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 わりと似た感じのグループ展がつづけてひらかれている「たぴお」ですが、今回は、出品作の大半を、抽象画や半抽象が占める、しぶい展覧会になっています。
 案内状のはがきには、漆山豊、上條千裕、中森秀一、林教司、藤川弘毅、渡辺英四郎の6氏の氏名が印刷されていましたが、渡辺さんの作品は見あたりません。
 藤川さんだけが写真です。人形をいろんな角度から撮影しています。人形は、まるでビジュアルロックバンドのメンバーのような見た目をしています。
 林さんは、26日まで開会中の「北海道抽象派作家協会展」とおなじような、シンプルな絵画が3点。濃い緑と黄色のせめぎあう画面です。林さんはじつにマメに「たぴお」のグループ展に参加していますが、これまではオブジェや立体の出品が多く、今回のようなタブローは珍しいです。
 中森さんは、パステルや鉛筆による絵画6点。立ち並ぶ家々やビルを単純化して絵にしたとおぼしき、矩形の繰り返しが、心地よいリズムを画面に生んでいます。
 漆山さんは、アクリルやパステル、鉛筆による絵画6点。抽象です。弱々しい直線が縦横に引かれているのが、独特の味を出しています。
 上條さんは、以前札幌に住んでいましたが、現在は愛媛県宇和島市在住です。ほかの4人が「作品」という即物的なタイトルなのに対し、上條さんだけが
「一番好きな木陰、水にもたれて」
「あしあと」
「夜明け」
「ひとりでに」
「ここで遊ぼう」
「哀歓(風の上、水の下)」
と、題がつけられています。
 それぞれ銀箔を用い、箔足が見えていますが、いわゆる日本画的なにおいはまったく感じられません。線や色斑が自由に画面を踊っています。
 漆山さんの絵も上條さんの絵も、なにも具体的には描かれていないし、ことばにするにはむずかしい作品なのに、何か或る気分のようなものをたくさん語っているような気がしたのでした。

4月17日(月)-29日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 道特会館 地図A


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