北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

ハコトリ(3) 大門地区

2009年08月25日 21時29分56秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 さて、朝市を出て、「駅前大門地区」に移る。

 日本中たいていの都市ではJRの駅前はそのマチの顔としてもっともにぎやかな地区を形成してきた。もちろん福岡や八戸など例外は多いのだが、少なくても道内は、町のあるところに鉄道が敷かれたのではなく、その逆である例が多いので、駅前イコール繁華街であったのだ。
 そして、自家用車の普及とともに、地盤沈下に悩まされているのも、道内外問わず見られる現象である。

 函館駅前から松風町にいたる電車通りは、三つの百貨店、多くの小売店が軒を連ねた。札幌でいえばススキノにあたる歓楽街でもあり、北洋漁業が盛んだった昭和30-40年代は、陸にのぼった漁師たちが札束とともに豪遊したという。
 また国鉄函館駅は青函連絡船の発着場でもあった。

 したがって、二百海里漁業規制が始まり、青函連絡船が廃止されたことで、この地区の没落は決定的となったと思われる。
(ここらへん、地元の現代史に詳しい方、コメントお願い!)
 いまも、棒二森屋百貨店が駅前に構え、なんとか繁華街の地位は保っているものの、少し南に下れば、空き地がめだつ。

 冒頭の画像は、かつて栄華をきわめた駅前・大門地区の様子を撮った写真を、店の壁に貼っているもの。
 一時的なものか、恒久的なものかはわからないが、黄金時代をなつかしむ函館人の心持ちがつたわってくるようだ。

 ハコトリの開催には、この地区に元気を取り戻してほしい-という思いもこめられているのではないだろうか。

 前置きが長くなったが、この地区は15カ所に展示されている。
 ただし、大半はお店のショーウインドウである。

 ショーウインドウにアートを飾ること自体は、それほど珍しくないが、気楽に見られるのは良いことだと思う。




 ジュエリー&ウォッチ ワタナベ本店のショーウィンドウに展示されていたタキハナヤスカズさんの作品。
 廃品の電子回路に、たぶんスプレーで色を着けた立体作品と、それを貼り付けたコラージュの半立体が展示してあった。

 ガラスが反射するので写真を撮るのはかなりむつかしい。


この項続く)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。