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【告知】立体力 仏像から人形、フィギュアまで (2012年6月2日~7月8日、札幌)

2012年05月31日 20時41分03秒 | 展覧会等の予告
 札幌芸術の森美術館で6月2日から開かれるこの展覧会、twitterなどでは、けっこう話題になっています。

 チラシを見ると、仏像や、舟越桂の“まじめな彫刻”から、与勇輝の人形、さらに、綾波レイ(アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主要登場人物)や「北斗の拳」のフィギュアまでが、おなじ大きさの写真でならんでいるのです。

 近年の美術館は、以前に比べると、マンガの原画展やアニメをテーマにした展覧会を積極的に開くようになってきているのは、たしかです。
 ただ、あくまで、それらは、たとえば「ドラえもん展」「ウルトラマン・アート!」という企画展の枠内のことであり、そういった展覧会に並ぶものと、古典的な彫刻の展覧会に出品されるようなものとが、おなじ会場で、おなじ価値観のもとに並ぶことは、ほとんどなかったのではないでしょうか。

 その意味では、劃期的かっ き てきな展覧会だといえそうです。

 ここではあまり詳しく論じませんが、いままで「美術館」という場は、西洋式の彫刻や絵画がもっぱら展示されてきました。
 しかし、ひるがえって、どうして綾波レイのフィギュアや与勇輝の人形を展示してはいけないのか。
 これを筋道たてて論じることのできる人はあまり多くないのではないでしょうか(筆者には無理)。

 おそらく、「美術館」という制度自体が、西洋からの輸入品であることと共通する事情があるに違いありません。

 ただし、日本には、天平仏から円空、高村光雲まで、西洋とは独立しながらもしかしけっして見劣りしない立体の美の系譜があるのは事実です。
 この展覧会で、まずは既成の枠組みをとっぱらって、古今東西の「立体」をじっくり眺めてみたい。そう思います。
   


2012年6月2日(土)~7月8日(日)午前9時45分~午後5時30分(入館は午後5時まで)、
会期中無休
札幌芸術の森美術館 (南区芸術の森2)

展覧会facebookページ

観覧料:一般900円(720円)、高校・大学生450円(360円)、小・中学生200円(160円)
※( )内は、前売り/20名以上の団体料金


関連事業

ギャラリーツアー
当館学芸員が展示室を一緒に巡りながら作品を解説します。
6月15日(金)、16日(土)、17日(日)、22日(金)、23日(土)、24日(日)
各回午後2時~(約40分間)
※本展観覧券が必要です。




・地下鉄南北線「真駒内」駅バスターミナルで、中央バスに乗り継ぎ、「芸術の森入り口」で降車(芸術の森センターまで行くと、かえって遠くなります)。ターミナルの2番乗り場から出るバスはすべて止まります(上の地図参照)
※「1dayカード」は使用不可につき注意


出品作家
円空、木喰、高村光雲、二代永徳齋、三代永徳齋、山崎朝雲、荻原守衛、戸張孤雁、高村光太郎、中原悌二郎、澤田政廣、平田郷陽、本郷新、佐藤忠良、舟越保武、千野茂、砂澤ビッキ、与勇輝、鈴木吾郎、山本正道、戸谷成雄、國松明日香、舟越桂、齋藤利明、伽井丹彌、鴻上宏子(以上生年順)/海洋堂、グッドスマイルカンパニー、マックスファクトリー、パンタグラフ

主催:札幌芸術の森美術館(札幌市芸術文化財団)、北海道新聞社
後援:北海道、札幌市、札幌市教育委員会
助成:芸術文化振興基金、公益財団法人 花王芸術・科学財団
協力:海洋堂、グッドスマイルカンパニー、マックスファクトリー


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