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本郷新「鳥の碑」(石狩)

2018年11月30日 09時37分00秒 | 街角と道端のアート
 11月27日に、本郷新記念札幌彫刻美術館の前にある「鳥の碑」が倒れたという記事について書きましたが、これが石狩にあるものと同一かどうかは確認していません。
 ただ、よく似ていることは確かです。

 女性が鶏を抱えているさまを表現した本郷新の彫刻といえば、宮の森緑地や釧路市観光国際交流センター前などにある「鳥を抱く女」がよく知られています。

 石狩市民図書館の前を通りがかったとき、この立像を見て
「また『鳥を抱く女』か」
と思ったのですが、近づいて見るとちょっと違います。


 大通公園にある代表作「泉」などの柔和さに比べると、直線的な構成が目を引きます。
 これほど実際の人体から離れて改変をほどこした本郷の作品はめずらしいのではないでしょうか。

 目隠しをして、頭頂部は欠けているように見えます。
 脚も台座で途中から切られています。

 この直線を生かしたつくりは、あるいはザッキンなどの影響があるのかもしれません。

 下のページで、当時、本郷新記念札幌彫刻美術館の学芸員だった井上みどりさんは

 全体としては、生命感に溢れた作品であるが、「鳥の碑」は、他の作品と趣を異にしている。材質にコンクリートを選び、少女と鳥の形は、無駄な部分を省略し形を単純化した。表面の処理も全体に亀裂を入れ、一面では死のイメージさえ感じるような表現になっている。

と述べています。

□本郷新記念札幌彫刻美術館の「鳥を抱く女たち」のページ http://www.hongoshin-smos.jp/sculpture/toriwodakuonna.html


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