(超長文です。読んでください)
あらためまして、2011年3月11日に発生した東日本大震災で、亡くなられた方々へのお悔やみと、被災者へのお見舞いを申し上げます。
当ブログで震災を直接取り上げたエントリは、すでに
■北見日記その30・2011年3月11~12日 大海嘯
■巨大地震の美術館などへの影響
■福島第一原発の映像
■おはようございます。震災のお見舞いを申し上げます
の4本がアップされています。
<目次>
1.阪神大震災を圧倒する報道量
2.美術館やギャラリーは
3.今後のアート
4.日本は意外と世界から好かれている
5.ツイッターとデマ
(あくまで予定)
1.阪神大震災を圧倒する報道量
今回の地震に際してまず思いだしたのは、1995年の阪神大震災だったが、不幸にしてこれを大幅に上回る被害が出てしまった。
マスコミ各社の報道量も、阪神・淡路大震災を圧倒した。
当時の紙面を振り返ってみればわかるが、1995年のときは、1面のサンヤツ(下に入る出版社の広告)は外していない。朝日、読売は3月25日まで2週間、北海道新聞は翌26日まで、1面全段を記事と写真でほぼ埋めつくした(ただし、毎日は11~13日のみ)。
そして、この原稿を書いている時点でもなお各紙は、最終面からテレビ欄を追い出して、震災関連の記事を入れている。これも、阪神の際にはなかった現象だ。
テレビも当初、13日夜までは、すべての番組を吹っ飛ばして震災の特番を組んだ。
NHKは朝の連続テレビ小説(いわゆる朝ドラ)を1週間も休んだ(計6回)。
あまり知られていないが、朝ドラはかつて、何があっても休まない番組だとされ、阪神大震災のときも一度も休んでいない(あまりの異常事態に編成部がニュースを打ち切るタイミングを失って、安田成美主演「春よ、こい」を初めて休んでしまったのは、同年のオウム真理教地下鉄サリン事件の際である)。
一般のコマーシャルが減って、公共広告機構(AC)ばかりになり、北海道のクリエイターが作成した「ぽぽぽ~ん」が流行するなど、思わぬ副産物まで生まれた。
(みなさんご存じかとは思いますが、いちおう下の方にYou Tubeへのリンクをいれておきます)
新聞に戻ると、朝日新聞は震災以来、スポーツ面が1ページしかない日が多い。
たしかに、Jリーグやプロ野球の開幕が大幅にずれ込み、バスケットボールのプロリーグはシーズン半ばで試合を打ち切った。震災とかかわりなく大相撲初場所が続けられ、とくに中止を求める声も出なかった阪神淡路大震災当時とはえらい違いである。
北海道新聞も生活面が1ページになっているし、地方版も週3ページ減。経済面も減らしている。
もちろん、河北新報などの奮闘(http://twitter.com/sheepbook/status/51640337411751938)は、筆者は直接確認できていないが、大変なものがあるだろう。
記事、写真で、北海道新聞は相当お世話になっているはずだ。
今回は、宮城県女川町で高さ18メートルの津波が鉄筋コンクリートの建物を基礎からひっくり返し、死者・行方不明が2万人を超すなどといった地震自体の途方もない巨大さももちろんだが、それ以上に、東京電力の原子力発電所が被災したことの方が、前例のない報道量に大きくあずかっている。
3日目以降、各紙の1面トップを飾っているのは、震災そのものよりも、原発の情勢であることが多い。
原発そのものの是非よりも、東京電力の対応にはどうにも我慢のできないものがあるが、それについては、稿を改めたい。
この震災で、さまざまな分野の工場が被災し、日本の製造業が苦境に立たされているが、実は新聞業界も安穏とはしていられない。
日本製紙の主力工場である石巻工場はほぼ壊滅状態である。
(これも、石巻市の日下羊一さんのブログ。新聞などではほとんど紹介されていない写真。http://shinyousha.com/shinsai/okaido/)
新聞用紙の多くは道内で生産されているが、業界全体で融通するものであるので
「道新は近くで造ってるからいいもんねー。東京は出さなくていいでしょ」
というわけにもいかない。
日下さんによれば、日本製紙は同工場を社運を賭して再建するとのことだが…。
また、3月23日の北海道新聞に載った、次のベタ記事を読んだ人もいるだろう。
この事態がいつまで続くのか。
少なくとも、この震災で、わたしたち、この列島に住む者たちの世界認識は、根底から変わってしまった。
2.美術館やギャラリー、作家たち
報道やインターネットについてはまだまだ書きたいことがあるのだが、このブログの趣旨にのっとり、アートの話を書く。
筆者自身も震災とは関係ない事情により多忙だったこともあり、全国への影響はとても調べきれていない。
ただ、震災直後は、東京でもかなりの美術館・ギャラリーが臨時に休んだ。
翌週からは、計画停電で首都圏の電車がまひ状態になり、休業に追い込まれたところも多かった。ようやく21日の週から再開にこぎ着けたギャラリーが多いようだ。
この分野については、神戸の「アート&デザイン情報図書館」さんが精力的にTwitterで情報をとりまとめている。
道内で、直接打撃を受けて休館したのは、筆者の知るかぎりでは地震翌日、3月12日の道立釧路芸術館だけだった。
ただし、影響はいろいろ出ている。
まず、4月15日から、札幌の北海道開拓記念館(という名前であるが、要するに道立博物館である)で開かれる予定だった「北の土偶」展が中止になった。
理由については「東北地方からの文化財の輸送が困難なため」としている。
また、十勝管内鹿追町の神田日勝記念美術館が所蔵する神田日勝の「馬(絶筆)」など代表作の多くを貸し出し、横浜の「馬の博物館」で4月23日から展覧会が開かれる予定だったが、これも中止となった。
どうやら、9月10日~10月10日に延期となったもよう。
一方、道内の作り手たちから、さっそく救援への行動が始まっている。
陶芸家の橋本忍さんが呼びかけ、うつわチャリティーマーケット「One Love」が、4月22日(金)~24日(日)、イルムス/ステーション999
(札幌市中央区北3西4 日本生命札幌ビル2階)で開く。
参加する陶、木工、ガラス作家の一覧は、上のサイトを見てください。
筆者が直接間接に存じ上げているのは、高橋里美、工藤和彦、小松美智子、摩 耶、鈴木勝、小泉満恵、恒枝直豆、西村和…といった各氏だが、とにかく多くの人が参加するようだ。
また、「サッポロで、アートで募金 東北へ」の、チャリティーアートマーケットが、3月28日(月) ~31日(木)の午前9:00から午後8時まで、イオン札幌発寒ショッピングセンター すずらん広場(札幌市西区発寒8の12)で開かれる。
これは特筆すべきことだが、このチャリティーマーケットの言い出しっぺは高校生であるということ。
最近の若い人はすごい。ほんとに、そう思う。
大人からも、國松明日香、高橋喜代史、武田浩志、ウリュウ ユウキ、セイノユカ、Mayumi,W(“allo?”)、樫見菜々子、杉吉貢といった方々が参加するとのこと。
・JR発寒駅から約500メートル、6分
・地下鉄東西線宮の沢駅から約600メートル、8分
(まだ第2章の途中なんだけど、あまりに長くなってきたので、この項続く)
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/22220316
あらためまして、2011年3月11日に発生した東日本大震災で、亡くなられた方々へのお悔やみと、被災者へのお見舞いを申し上げます。
当ブログで震災を直接取り上げたエントリは、すでに
■北見日記その30・2011年3月11~12日 大海嘯
■巨大地震の美術館などへの影響
■福島第一原発の映像
■おはようございます。震災のお見舞いを申し上げます
の4本がアップされています。
<目次>
1.阪神大震災を圧倒する報道量
2.美術館やギャラリーは
3.今後のアート
4.日本は意外と世界から好かれている
5.ツイッターとデマ
(あくまで予定)
1.阪神大震災を圧倒する報道量
今回の地震に際してまず思いだしたのは、1995年の阪神大震災だったが、不幸にしてこれを大幅に上回る被害が出てしまった。
マスコミ各社の報道量も、阪神・淡路大震災を圧倒した。
当時の紙面を振り返ってみればわかるが、1995年のときは、1面のサンヤツ(下に入る出版社の広告)は外していない。朝日、読売は3月25日まで2週間、北海道新聞は翌26日まで、1面全段を記事と写真でほぼ埋めつくした(ただし、毎日は11~13日のみ)。
そして、この原稿を書いている時点でもなお各紙は、最終面からテレビ欄を追い出して、震災関連の記事を入れている。これも、阪神の際にはなかった現象だ。
テレビも当初、13日夜までは、すべての番組を吹っ飛ばして震災の特番を組んだ。
NHKは朝の連続テレビ小説(いわゆる朝ドラ)を1週間も休んだ(計6回)。
あまり知られていないが、朝ドラはかつて、何があっても休まない番組だとされ、阪神大震災のときも一度も休んでいない(あまりの異常事態に編成部がニュースを打ち切るタイミングを失って、安田成美主演「春よ、こい」を初めて休んでしまったのは、同年のオウム真理教地下鉄サリン事件の際である)。
一般のコマーシャルが減って、公共広告機構(AC)ばかりになり、北海道のクリエイターが作成した「ぽぽぽ~ん」が流行するなど、思わぬ副産物まで生まれた。
(みなさんご存じかとは思いますが、いちおう下の方にYou Tubeへのリンクをいれておきます)
新聞に戻ると、朝日新聞は震災以来、スポーツ面が1ページしかない日が多い。
たしかに、Jリーグやプロ野球の開幕が大幅にずれ込み、バスケットボールのプロリーグはシーズン半ばで試合を打ち切った。震災とかかわりなく大相撲初場所が続けられ、とくに中止を求める声も出なかった阪神淡路大震災当時とはえらい違いである。
北海道新聞も生活面が1ページになっているし、地方版も週3ページ減。経済面も減らしている。
もちろん、河北新報などの奮闘(http://twitter.com/sheepbook/status/51640337411751938)は、筆者は直接確認できていないが、大変なものがあるだろう。
記事、写真で、北海道新聞は相当お世話になっているはずだ。
今回は、宮城県女川町で高さ18メートルの津波が鉄筋コンクリートの建物を基礎からひっくり返し、死者・行方不明が2万人を超すなどといった地震自体の途方もない巨大さももちろんだが、それ以上に、東京電力の原子力発電所が被災したことの方が、前例のない報道量に大きくあずかっている。
3日目以降、各紙の1面トップを飾っているのは、震災そのものよりも、原発の情勢であることが多い。
原発そのものの是非よりも、東京電力の対応にはどうにも我慢のできないものがあるが、それについては、稿を改めたい。
この震災で、さまざまな分野の工場が被災し、日本の製造業が苦境に立たされているが、実は新聞業界も安穏とはしていられない。
日本製紙の主力工場である石巻工場はほぼ壊滅状態である。
(これも、石巻市の日下羊一さんのブログ。新聞などではほとんど紹介されていない写真。http://shinyousha.com/shinsai/okaido/)
新聞用紙の多くは道内で生産されているが、業界全体で融通するものであるので
「道新は近くで造ってるからいいもんねー。東京は出さなくていいでしょ」
というわけにもいかない。
日下さんによれば、日本製紙は同工場を社運を賭して再建するとのことだが…。
また、3月23日の北海道新聞に載った、次のベタ記事を読んだ人もいるだろう。
新聞印刷用のインキメーカーで構成する印刷インキ工業連合会は22日、日本新聞協会に対し、東日本大震災の影響で、原料の調達が難しくなっているとして、インキ使用量の抑制に協力するように要請した。
同連合会によると、火災や倉庫の荷崩れが関連企業で相次いだことにより、インキの原料調達が困難になっている。
この事態がいつまで続くのか。
少なくとも、この震災で、わたしたち、この列島に住む者たちの世界認識は、根底から変わってしまった。
2.美術館やギャラリー、作家たち
報道やインターネットについてはまだまだ書きたいことがあるのだが、このブログの趣旨にのっとり、アートの話を書く。
筆者自身も震災とは関係ない事情により多忙だったこともあり、全国への影響はとても調べきれていない。
ただ、震災直後は、東京でもかなりの美術館・ギャラリーが臨時に休んだ。
翌週からは、計画停電で首都圏の電車がまひ状態になり、休業に追い込まれたところも多かった。ようやく21日の週から再開にこぎ着けたギャラリーが多いようだ。
この分野については、神戸の「アート&デザイン情報図書館」さんが精力的にTwitterで情報をとりまとめている。
道内で、直接打撃を受けて休館したのは、筆者の知るかぎりでは地震翌日、3月12日の道立釧路芸術館だけだった。
ただし、影響はいろいろ出ている。
まず、4月15日から、札幌の北海道開拓記念館(という名前であるが、要するに道立博物館である)で開かれる予定だった「北の土偶」展が中止になった。
理由については「東北地方からの文化財の輸送が困難なため」としている。
また、十勝管内鹿追町の神田日勝記念美術館が所蔵する神田日勝の「馬(絶筆)」など代表作の多くを貸し出し、横浜の「馬の博物館」で4月23日から展覧会が開かれる予定だったが、これも中止となった。
どうやら、9月10日~10月10日に延期となったもよう。
一方、道内の作り手たちから、さっそく救援への行動が始まっている。
陶芸家の橋本忍さんが呼びかけ、うつわチャリティーマーケット「One Love」が、4月22日(金)~24日(日)、イルムス/ステーション999
(札幌市中央区北3西4 日本生命札幌ビル2階)で開く。
参加する陶、木工、ガラス作家の一覧は、上のサイトを見てください。
筆者が直接間接に存じ上げているのは、高橋里美、工藤和彦、小松美智子、摩 耶、鈴木勝、小泉満恵、恒枝直豆、西村和…といった各氏だが、とにかく多くの人が参加するようだ。
また、「サッポロで、アートで募金 東北へ」の、チャリティーアートマーケットが、3月28日(月) ~31日(木)の午前9:00から午後8時まで、イオン札幌発寒ショッピングセンター すずらん広場(札幌市西区発寒8の12)で開かれる。
これは特筆すべきことだが、このチャリティーマーケットの言い出しっぺは高校生であるということ。
最近の若い人はすごい。ほんとに、そう思う。
大人からも、國松明日香、高橋喜代史、武田浩志、ウリュウ ユウキ、セイノユカ、Mayumi,W(“allo?”)、樫見菜々子、杉吉貢といった方々が参加するとのこと。
・JR発寒駅から約500メートル、6分
・地下鉄東西線宮の沢駅から約600メートル、8分
(まだ第2章の途中なんだけど、あまりに長くなってきたので、この項続く)
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/22220316
今朝、ここでチャリティを知り、早速行って参りました。愛らしい高校生達が、本当に真心をこめて、作品を販売しておりました。私も購入したポストカ-ドを眺め、何だか心が温まる想いで一杯です。みんなの想いが東北へ届きますように。。。
なかなか最近の若い人って、すごいです。
わたしは引っ越し作業中という制約があって、あまりたくさん買えなかったのが申し訳ないです。