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香川軍男「薯版 北見昔々」を、ギャラリーたぴおで買った

2009年01月29日 23時58分40秒 | つれづれ読書録
 ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館)では今週、コレクションと古本市というのをやっている。
 昨年亡くなった、「たぴお」の主宰者竹田博さんの所蔵していた版画などの作品と、美術書を安く販売しているのだ。
 のぞいてみると、ジャンルのさまざまな本がならんでいる。
 寄贈された図録などもあるのだろうが、平凡社の世界美術全集などは、若き日の竹田さんが教養と勉強のために買ったのだろうなと想像される。

 北見のイモ版画家、香川軍男さんの「薯版 北見昔々」というのがあったので、買ってきた。
 香川さんのいも版を使ったカレンダーを長年にわたって手がけてきたのは、竹田さんの「タピオデザイン事務所」だった。この小さな版画集(むろん、印刷である)も、竹田さんの事務所のデザインだ。
 昔の郵便局や屯田兵屋、安田銀行、野付牛村役場などの建物が、香川さんならではの素朴な版画で表現されている。(「野付牛」は北身の旧称)
 いくらヤナイが昔のことを知っているからと言って、「ピヤソン館」(現ピアソン記念館)をのぞいてはまったくわからない建物ばかりである。

 前書きを見ると、この版画集は、きたみ東急百貨店が1982年、バスターミナルや北見東急インなどを備えてオープンしたときに、東急グループが記念に出したものらしい。
 東急グループの総帥・五島慶太はなぜか北見地方と縁が深く、たとえば北見工大の土地などは、五島がぽんと寄附したものだと聞いたことがある。

 時代は流れ、すでに東急インもきたみ東急百貨店も撤退し、香川さんもこの世にない。
 世の無常を感ずる。

(Eさん、撮影協力ありがとうございました)


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