北広島在住の山本祐歳さんの個展。
筆者は毎度
「擬人化した動物を木彫に仕上げ、さらにそれを写真に撮ったものを同時に展示したり、絵を組み合わせるなどの手法で、独特の空間をつくる」
などと紹介しているが、今回は写真は少なめで、むしろ、絵画と彫刻の合体を意識するとともに、会場との調和をめざした展開になっている。
木でできた生き物の作品が、周囲の植物という生命とハーモニーを奏でようとしているようでもある。
なにせ、昨年の秋、ここでひらかれた「木村環・福井優子二人展」を見て、その場で翌年の予約をしてきたというほど、この会場に一目ぼれ状態だったというのだ。
たしかに、三角山のふもとの緑に包まれ、裏手には山の手沢が流れる、なかなかないロケーションである。
「去年はもう葉が落ちていたけれど、いまは濃い緑の力をすごく感じますね」
そのためか、いつもの個展よりも新作が多く、作者の張り切りようがうかがえる。
冒頭画像のように、屋外の、沢のそばにあるウッドデッキと、そこへおりていく階段のわきにも、作品「Interface 1 ~異なるものをつなぐ~ snowleopard/ユキヒョウ」が設置されている。
写真に撮ると、まわりの緑にすっかりとけこんでしまい、ちょっと見分けがつかないほど。
順路と前後してしまったけど、屋内の作品。
近年取り組んでいる、背が高くて細長い木彫。
頭部はキリンになっているが、底部は建物が刻まれている。
言い訳しておくと、窓の手前で、しかもスポットが消されているので、逆光になってしまい、写真がうまく撮れていない。
「今回はシルエットを見てほしいので」
とフォローしてくれる山本さん。
ちなみに、おすすめ時間は、窓から光がさしこんでくる午前とのことだ。
それほど大きくないのに、空間の広がりを感じさせる作品。
台座がなく、床置きになっている。
細長い板にアクリル絵の具で描いた8点組みの「GIFT」。
十字架のかたちに展示され、どこか宗教的な雰囲気が漂うのは、昨年のクリスマスに、北広島でひらいた個展で発表したため。
下の2枚は、馬を擬人化したものや、灯台のようなものを貼り付けているが、あたかも板を浮き彫りにしたかのように見える。
「絵画イコール平面」という固定観念を、さりげなく打ち破っているのがおもしろい。
このほか「volvox」「マリンスノー」など4点からなる絵画「水棲」のある一角は、水色に塗った抽象画の旧作などもあり、緑の中の海とでもいうべき、ふしぎな空間になっている。
沢をのぞむデッキの柵に置かれた「こもごも」。
既発表作(カモノハシの先生など)もあり、なかなかたのしめる展覧会になっているので、足を運んでみては(きょうまでだけど)。
2009年6月23日(火)-28日(日)11:00-18:00(最終日-16:00)
GALLERY倫土(西区山の手3の12 地図K)
・東西線西28丁目から、ジェイアール北海道バス「循環西20・西21 山手線」に乗り継ぎ、「山の手4条11丁目」降車、徒歩2分。「国立西病院前」でおりても徒歩7分ほど。日中は1時間に各1、2本
・東西線琴似駅もしくは宮の沢駅から、ジェイアール北海道バス「琴29 琴似西野線」に乗り継ぎ、「山の手4条11丁目」降車
(駐車スペースあり)
□metamoric animalサイト http://www10.plala.or.jp/metamor/index.html
■metamoric animal XII タダ・ミル(2008年5-6月)
■Metamoric Animal グレイの内から(07年11月)
■Metamoric Animal XI RED-あたたかな水色(07年9月)
■metamoric animal XI wood carving “Tasting”&“BAZAR” (07年3月)
■山本祐歳 Metamoric Animal X(06年)
■SWING(04年、画像なし)
筆者は毎度
「擬人化した動物を木彫に仕上げ、さらにそれを写真に撮ったものを同時に展示したり、絵を組み合わせるなどの手法で、独特の空間をつくる」
などと紹介しているが、今回は写真は少なめで、むしろ、絵画と彫刻の合体を意識するとともに、会場との調和をめざした展開になっている。
木でできた生き物の作品が、周囲の植物という生命とハーモニーを奏でようとしているようでもある。
なにせ、昨年の秋、ここでひらかれた「木村環・福井優子二人展」を見て、その場で翌年の予約をしてきたというほど、この会場に一目ぼれ状態だったというのだ。
たしかに、三角山のふもとの緑に包まれ、裏手には山の手沢が流れる、なかなかないロケーションである。
「去年はもう葉が落ちていたけれど、いまは濃い緑の力をすごく感じますね」
そのためか、いつもの個展よりも新作が多く、作者の張り切りようがうかがえる。
冒頭画像のように、屋外の、沢のそばにあるウッドデッキと、そこへおりていく階段のわきにも、作品「Interface 1 ~異なるものをつなぐ~ snowleopard/ユキヒョウ」が設置されている。
写真に撮ると、まわりの緑にすっかりとけこんでしまい、ちょっと見分けがつかないほど。
順路と前後してしまったけど、屋内の作品。
近年取り組んでいる、背が高くて細長い木彫。
頭部はキリンになっているが、底部は建物が刻まれている。
言い訳しておくと、窓の手前で、しかもスポットが消されているので、逆光になってしまい、写真がうまく撮れていない。
「今回はシルエットを見てほしいので」
とフォローしてくれる山本さん。
ちなみに、おすすめ時間は、窓から光がさしこんでくる午前とのことだ。
それほど大きくないのに、空間の広がりを感じさせる作品。
台座がなく、床置きになっている。
細長い板にアクリル絵の具で描いた8点組みの「GIFT」。
十字架のかたちに展示され、どこか宗教的な雰囲気が漂うのは、昨年のクリスマスに、北広島でひらいた個展で発表したため。
下の2枚は、馬を擬人化したものや、灯台のようなものを貼り付けているが、あたかも板を浮き彫りにしたかのように見える。
「絵画イコール平面」という固定観念を、さりげなく打ち破っているのがおもしろい。
このほか「volvox」「マリンスノー」など4点からなる絵画「水棲」のある一角は、水色に塗った抽象画の旧作などもあり、緑の中の海とでもいうべき、ふしぎな空間になっている。
沢をのぞむデッキの柵に置かれた「こもごも」。
既発表作(カモノハシの先生など)もあり、なかなかたのしめる展覧会になっているので、足を運んでみては(きょうまでだけど)。
2009年6月23日(火)-28日(日)11:00-18:00(最終日-16:00)
GALLERY倫土(西区山の手3の12 地図K)
・東西線西28丁目から、ジェイアール北海道バス「循環西20・西21 山手線」に乗り継ぎ、「山の手4条11丁目」降車、徒歩2分。「国立西病院前」でおりても徒歩7分ほど。日中は1時間に各1、2本
・東西線琴似駅もしくは宮の沢駅から、ジェイアール北海道バス「琴29 琴似西野線」に乗り継ぎ、「山の手4条11丁目」降車
(駐車スペースあり)
□metamoric animalサイト http://www10.plala.or.jp/metamor/index.html
■metamoric animal XII タダ・ミル(2008年5-6月)
■Metamoric Animal グレイの内から(07年11月)
■Metamoric Animal XI RED-あたたかな水色(07年9月)
■metamoric animal XI wood carving “Tasting”&“BAZAR” (07年3月)
■山本祐歳 Metamoric Animal X(06年)
■SWING(04年、画像なし)