若手の抽象画家安住(あずみ)さん。前回は色と色が戦っているような絵でしたが、今回も勢いのあるせめぎあいが見られます。
作品はアクリルと一部油彩。すべてキャンバスは自分で張っています。
冒頭の画像は、「太古の海」のI、II、III。
キャンバスは厚さ9センチもあり、側面まで色と色のせめぎあいが展開しています。
つづいて「発生」。
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うーむ。なんだか、会場がさびしい。
金子鴎亭ら物故者の作品が見当たらないだけではない。
小川東洲も佐藤満もいないのだ。
それにくわえて、ことしは、これといった全体的な傾向がないように感ずる。たとえば、2004年のときに筆者が指摘していた、俳句を書いたかな書が多いとか、金文や甲骨文の流行といった目立った流れが、ことしは見当たらないようなのだ。
個々の作品が悪いというのではもちろんない。ただ . . . 本文を読む
一口ではいえないとても個性的な絵を描く櫻井マチ子さん(札幌在住)。小さい展覧会や売り絵の展覧会も入れると、なんとことし7回目というから、オドロキです。
「さすがにつかれたわー。搬入終わったら搬出、また描いてって感じで。わたし、買い物でストレス発散するんだけど、10分で買う服を決めなくちゃならないあのつらさ! もうしばらく休むわよ」
さすがに、今回の個展は小品ばかりで点数が少ないのも無理はないで . . . 本文を読む
さまざまな技法により、版画の概念を拡張している若手の岩本さんです。
会場のつごうもあるのでしょう、今回は天井から吊り下げたりしている作品はなく、タブローが大半です。
ただし、右手の壁には、Tシャツがびっしりと貼られ(1点2000円)、異彩を放っています。
このTシャツは、となりに展示してある「pink ponp」という作品の一部を流用してデザインしたものです。
冒頭の画像「まぶたの果て . . . 本文を読む
青青社書展は、道内の前衛書の第一人者、竹下青蘭さん(札幌在住)が指導する社中による3年ぶりの展覧会。
漢字4点と、前衛書(文字でないものを書く)25点が展示されています。
けっして師風をそのまま引き継ぐのではなく、みなさんが自由な感性で伸び伸び筆を走らせているところに好感を持ちました。
大半の人は筆で書いていますが、なかには筆ではない物を用いている人もあるようです。
冒頭の画像、左側は . . . 本文を読む
会場にあったプロフィルには「元新道展会員」とあるが、手元にある新道展の図録の略年譜には同姓同名は見当たらない。ただし、1979年に読売賞、翌80年に協会賞を受け、81年には会員に推挙された、小林章という人がいるので、この人のことかもしれない。会場には100号クラスがならび、この画家がかつて公募展に出していたことは、明らかである。
(ちなみに、小林章氏ははやくも83年には退会している)
筆者は、 . . . 本文を読む